公開日:2019.10.17 年金

失業保険を受け取ると年金は停止?不安な60歳からの生活

60歳で定年を迎えて、継続雇用や雇用保険の基本手当(失業給付)を受け取らず再就職する等、受給要件を満たすことで高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることができます。
 
また、失業給付を受け取っても、100日以上の給付日数が残っていて再就職した場合は、高年齢再就職給付金を受け取ることができます。
 
同じ場合に、雇用保険の再就職手当は受給日数が1/3残っていれば受給できます。しかし、再就職手当と高年齢再就職給付は、同一の職について両方への加入はできません。
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

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林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

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失業給付を受け取ると、年金は停止されます

失業給付(雇用保険法の基本手当)を受け取るとき、ハローワークに求職の申込をします。年金を受け取っている人がハローワークに求職の申込をしたときは、申込の翌月から加給年金も含めて年金の支給が停止されます。実際に失業給付を受け取ったどうかは関係ありません。
 
停止されるなら年金を繰り下げてしまえば?60歳~65歳未満に受け取る特別支給の老齢厚生年金は、繰り下げできません。失業給付を受給中、失業認定を受けそびれて受給できなかった月があった場合、失業保険の受給期間後、支払い開始は約3ヶ月後になります。
 

失業給付、受けられる期間は原則1年間

基本手当を受給できるのは離職の翌日から1年間です。届け出が遅れて受給開始が遅れても、離職の翌日から1年間で終了します。定年後しばらく休みたい場合、受給期間延長届けを提出すれば、1年延長できます。病気(や出産)で仕事ができない場合は、3年延長することができます。
 
給付期間は、勤続年数(倒産や解雇の場合、年齢も含みます)によって決められますが、定年退職や自己都合の場合は最高で150日(被保険者期間が10年未満に場合は一律90日)です。基本手当を受け取れる期間は、離職の日から離職の翌日から原則1年以内です。
 
失業給付を一日でも受け取ったら、その月は年金の全額が支給停止になります。月をまたぐかまたがないかで、失業給付を受ける日数の合計が同じでも停止される月が違ってきます。その場合は、事後採算によって、支給停止されていた年金が支払われます。
 
■支給停止解除月数=年金停止月数-失業保険の支給対象となった日数/30日
 
支給停止解除月数が1ヶ月以上になった場合、その月数の年金がさかのぼって支払われます(1未満の端数が出た場合は、1に切り上げます)。失業保険の支給対象となった日数は、待期期間や給付制限期間は含みません。
 

高年齢再雇用給付金と再就職手当

基本手当を受け取り、一定の基本手当の受給期間を残して再就職した場合に、再就職手当を受け取ることができます。基本手当の残された日数分の金額を一括で受け取ります。金額は以下の式で求めることができます。
 
■再就職手当=支給残数×基本手当日額×60%(残日数1/3)、または70%(残日数2/3)
 
ただし、基本手当には上限があります。60歳未満は6165円、60歳以上は4990円です(令和2年7月31日までの金額)。また、再就職手当は起業しても給付されます。再就職の所に雇用保険がなくても受け取れます。
 
ただし、再就職の賃金が再就職前の賃金より低い場合には、賃金の減少をカバーする「就業促進定着手当」が受けられますが、起業など再就職先で雇用保険の被保険者資格がなくなる場合、「再就職手当」は受給できても、「就業促進定着手当」は受けられません。
 
一方、60歳以上65歳未満の方が再就職し賃金が60歳時の75%より低くなる場合、雇用を継続する「高年齢再就職給付金」と、雇用保険の基本手当を受け取ってから再就職する「高年齢再就職給付金」があります。
 
60歳を過ぎてから実際に受け取った賃金の最大15%を上乗せするものです。この場合、再就職で雇用保険に加入していないと受け取れません。
 
ところで、基本手当と高年齢雇用継続給付は両方を受給することはできません。基本手当を受給し、残日数が残って社会保険加入の会社に再就職が決まると、再就職手当か高年齢再就職給付金両方はとれないのでのどちらか一方に決めなくてはなりません。
 
支給期間、金額、給付方法も違います。起業や、個人事業で雇われる場合は、高年齢再就職給付は受け取れません。
 
ご参考までに、再就職手当と高年齢再就職給付金の比較したのが以下の表です。

 
失業給付は、「働く意思のある人」が失業したときに受け取るもので、求職中の生活を支えるものです。それにより老齢年金は停止されますが、もともと老齢年金は「高齢のため働けなくなった」(高齢のため働く意思がなくなった)時の生活を支えるものです。
 
年金支給が停止になるのが損なのではなく、公的年金・雇用保険とそれぞれの制度が「働けない」場合に対応しているのです。
 
<参照、引用>
日本年金機構「雇用保険の給付を受けると年金が止まります!」
厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」
厚生労働省「Q&A〜高年齢雇用継続給付〜」
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には「就業促進定着手当」が受けられます」
厚生労働省「令和元年8月1日から支給限度額等が変更になります。皆さまへの給付額が変わる場合があります。」
日本年金機構「年金の繰下げ受給」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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