更新日: 2020.02.13 その他年金
時効になることも!? 年金は請求手続きが必要です【老齢年金】
受け取ることができる年齢(受給開始年齢)が近くなると、年金の請求に必要な書類とお知らせが送られてきます。届いたら内容を確認し、忘れずに手続き(年金請求)をしましょう。
受け取ることができる要件を満たしていても、何も手続きしないで5年を過ぎてしまうと、時効で受け取ることができなくなってしまいます。
執筆者:三藤桂子(みふじけいこ)
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士
大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルマザーとあらゆる立場を経験した後、FPと社会保険労務士の資格を取得し、個人事業主から社会保険労務士法人エニシアFP を設立。
社会保険労務士とFP(ファイナンシャルプランナー)という二刀流で活動することで、会社側と社員(個人)側、お互いの立場・主張を理解し、一方通行的なアドバイスにならないよう、会社の顧問、個別相談などを行う。
また年金・労務を強みに、セミナー講師、執筆・監修など首都圏を中心に活動中(本名は三角桂子)。
老齢年金とは?
老齢年金は保険料を10年納めていると受け取ることができます(受給資格期間)。年金を受け取ることができる要件を満たすことで、原則65歳から老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)を受け取ることができます。
「10年」の受給資格期間になるもの
(1)保険料納付済期間のほか、免除、猶予、合算対象期間(カラ期間)
(2)厚生年金保険、共済組合などの加入期間
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特別支給の老齢厚生年金の請求手続き
受給資格期間の中に、厚生年金保険、共済年金などの期間が1年以上あり、かつ生年月日や性別によって、65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。
特別支給の老齢厚生年金を受け取る要件を満たしていると、65歳前に老齢年金を受け取ることができる年齢(受給開始年齢)に達する(誕生日の前日)3ヶ月前に、A4版の緑色の封筒に入った「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」が日本年金機構から、受給者本人に送られてきます。
年金請求書が送られてきたら、記載事項を確認し、必要事項を記入し、添付書類を用意します。添付書類は全ての人に必要な書類と、配偶者や18歳未満の子どもがいる人に必要な書類など、本人の状況によって用意する書類は違います。
請求は、年金を受け取ることができる年齢に達する日(誕生日の前日)から提出できます。誕生日の前日より前に請求書を提出した場合、受付してもらえないので注意が必要です。
65歳からの老齢年金の請求手続き
65歳からの老齢年金の請求手続きは3タイプあります。
(1)特別支給の老齢厚生年金を受給している人が65歳からの年金を受け取るときには、日本年金機構から年金請求書(ハガキ形式)が送られてきます。引き続き65歳から年金を受け取るには必要事項を記入し、返送します。
(2)65歳から初めて年金を受け取る権利が発生する人は、65歳に達する3ヶ月前にA4版の緑色の封筒に入った「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」が、日本年金機構から受給者本人に送られてきます。内容を確認し、必要事項の記入し、添付書類など用意します。
(3)特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利(受給権)があるにもかかわらず、65歳前までに年金請求していない人のお知らせは、(2)と同様です。
65歳に達する3ヶ月前にA4版の緑色の封筒に入った「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」が、日本年金機構から受給者本人に送られてきます。
内容を確認し、必要事項の記入し、添付書類など用意します。65歳からの年金は60歳から繰り上げて受け取ることができます。
1ヶ月繰り上げるごとに0.5%ずつ減額します。減額された年金額が一生涯続くことになるので、年金事務所で説明を聞きいてから請求します。
65歳からの年金を繰り下げて受け取ることもできます。1ヶ月繰り下げるごとに0.7%ずつ増額します。ただし、請求は66歳以降でないとできません。66歳までに遺族年金など、他の年金が受け取れる人は繰り下げることができません。
まとめ:年金のお知らせは必ず確認しましょう
60歳に達する3ヶ月前に65歳から老齢年金が受け取れる人に「年金に関するお知らせ(ハガキ)」が届きます。その後、年金請求書が下記のタイミングで届きます。
(1)受給開始年齢に達する3ヶ月前
(2)65歳に達する3ヶ月前
60歳に達する3ヶ月前に「年金に関するお知らせ(ハガキ)」は次のような人にも届きます。
(1)日本年金機構で管理している年金記録だけでは、受給資格期間が確認できない人
(2)年金を受け取るための必要な加入期間(受給資格期間)が足りない人
(3)60歳以降に年金を受け取れる権利(受給権)が発生する人
何も届かない場合は、お近くの年金事務所に確認しましょう。
年金には5年の時効があります。年金の受け取る権利(受給権)を満たしていても、請求を忘れたり、請求が遅れたりしたときは、受け取れなくなることがあります。
年金は自分で請求手続きをしなければ受け取ることがでません。日本年金機構からのお知らせが届くタイミングを確認し、忘れずに請求手続きをしましょう。
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※2020/02/13 内容を一部修正させていただきました
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、三藤FP社会保険労務士事務所 代表、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士