最終更新日: 2020.04.14 公開日: 2020.04.16
年金

障害年金受給のデメリット。仕事に影響が出るってホント?

執筆者 : 新井智美

障害年金とは、病気やケガで生活や仕事などが制限される場合に受け取ることができる、国の公的な年金制度です。「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があり、初診日に加入していた年金制度により受給内容が異なります。
 
障害年金は非課税で受け取れるもので、障害を持った方については非常にありがたい制度ですが、受給するにあたって気を付けなければならない点も存在します。今回はその障害年金受給における注意点についてお話しします。
 
 
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

詳細はこちら
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

詳細はこちら

家族の扶養から外れるかもしれない

1. 130万円の壁
現在、ご家族の扶養に入っていらっしゃる方であれば、扶養控除の対象となります。通常の扶養控除の場合、年収が130万円以上となると扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要があります。いわゆる「130万円の壁」といわれるものです。
 
2. 障害年金は非課税所得
障害年金を受給している場合、それは非課税所得となることについては冒頭で申し上げたとおりですが、障害年金に加え、他の収入がある場合については、障害年金とその収入の合計額が一定以上になると、扶養から外れることになります。具体的な数字については後述します。
 
3. 障害年金については確定申告不要
前述のとおり、障害年金は非課税所得ですので確定申告の必要はありません。障害年金以外に収入がある場合のみ、必要に応じて確定申告をすることになります。

■扶養から外れるケース

障害年金に加え、他の所得がある場合、その合計額が180万円以上となった場合は扶養から外れることになります。扶養から外れた場合、その後は自分で社会保険に加入することになります。
 
社会保険には2種類ありますが、扶養から外れた場合は国民年金保険料と併せて、勤務形態によって厚生年金保険料の負担も発生することを覚えておきましょう。
 
ちなみに、収入の種類が会社勤務以外のものによるもので、扶養から外れた場合は、国民年金保険料のみの負担となります。国民年金第1号被保険者および任意加入被保険者の1ヶ月あたりの保険料は1万6410円です(令和元年度)。また、収入の種類が会社勤務によるものであれば、厚生年金保険料の負担も発生します。
 
厚生年金保険料率については、標準報酬月額×18.3%となっており、事業主と被保険者とが半分ずつ負担します。それ以外にも、国民健康保険料の負担も発生することに注意が必要です。国民健康保険は運営の市区町村によって保険料に違いがありますので、正確な金額を知るには、住まいの地区の区役所等に問い合わせる必要があります。

■扶養から外れないケース

収入が障害年金のみの場合や、それ以外の収入を合算しても180万円未満であれば、扶養から外れることはありません。
 
したがって国民年金保険料については、世帯主が企業にお勤め(第2号被保険者)の方であれば、その勤務先で加入している被用者年金制度によって賄われることから、自分で納付する必要はありません。

■障害年金の受給者が法定免除の場合

国民年金の第1号被保険者で、障害基礎年金を受給する人は、国民年金の保険料について法定免除を受けることができます。
 
ただし、申告する必要がありますので注意してください。自動的に免除が受けられるわけではありません。法定免除を申請して受理されれば、国民年金保険料を支払わなくても、2分の1を支払ったことになります。
 
ただし、その分将来もらえる老齢基礎年金の額が減ることになります。例えば、20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。
 
その額は78万100円(令和元年度)となっていますが、もしその全期間にわたり法定免除を受けた場合、受け取れる老齢基礎年金額は、39万100円となります。

死亡一時金・寡婦年金がもらえないかもしれない

障害基礎年金を受け取った場合、死亡後に妻や家族へ支給される寡婦年金と死亡一時金は対象外となります。

■死亡一時金とは?

第1号被保険者として保険料を納めた月数(4分の3納付月数は4分の3月、半額納付月数は2分の1月、4分の1納付月数は4分の1月として計算)が36月以上ある方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなった時、生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の中で優先順位の高い方)に支給されるものです。
 
死亡一時金の額は、保険料を納めた月数に応じて12万円~32万円となっており、付加保険料を納めた月数が36月以上ある場合は、8500円が加算されます。

■寡婦年金とは?

第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が、10年以上ある夫が亡くなった時に、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻に対して60歳から65歳になるまでの間に支給される年金です。年金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3となります。

障害年金を受給すると再就職に不利になるって本当?

障害年金は、病気やケガで生活や仕事などが制限される場合に受け取ることができる、国の公的な年金です。
 
したがって、就職等に不利となることはありません。年末調整での申告欄は自分が障がい者であるかどうかのみであり、障害年金を受給していることについての申告欄はありません。
 
また、健康診断についても障害の程度が分かるだけで、障害年金の受給とは関係ないといえるでしょう。さらにいえば社会保険については、2号被保険者であれば他の人と変わらず保険料を支払うことから、そこから会社に知られることもありません。

■注意1:傷病手当金は知られる可能性あり

傷病手当金を申請する際、支給にあたり、申請書を会社に提出する必要があります。その申請書の中に、障害厚生年金を受給したかどうかを記入する欄があることから、障害厚生年金を受給しているということを知られる可能性はあります。しかし、だからといって職場への復帰が難しくなるということはありません。

■注意2:障害年金の受給者が新たに被扶養者となった場合

障害年金の受給者が新たに被扶養者となった場合、会社への申告は扶養者が増えたことに加え、年金通知書などの写しを勤務先に提出しなければなりません。その際に障害年金を受給していることを知られる可能性はあります。

■注意3:被扶養者が障害年金を受給し、扶養から外れた(年収180万円を超えた)場合

注意2と同様、扶養から外れた場合であっても、年金通知書などの写しを勤務先に提出しなければなりません。したがって、障害年金受給について知られる可能性はあります。

デメリットだけではない! 障害年金を受給するメリット

障害年金を受給できることによる、経済的な安心を得られることが最大のメリットでしょう。金銭的な安心感から、落ち着いて日々の生活や仕事、そして自身の障害に対してどのように向き合っていくかを考えることができるかもしれません。
 
ちなみに令和元年度での、障害基礎年金支給額については以下のとおりです。
 
1. 1級:78万100円×1.25=97万5125円(+子どもがある場合はさらに加算額)
2. 2級:78万100円(+子どもがある場合はさらに加算額)
3. 子どもの加算額:1人目・2人目の子については、1人につき22万4500円。3人目以降の子の場合、1人につき7万4800円
 
つまり、2級で老齢基礎年金の満額、1級だと1.25倍となるわけです。また、障害厚生年金については、以下の計算式で求められます。
 
1. 1級:報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(配偶者がある場合はさらに加算額)
2. 2級:報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(配偶者がある場合はさらに加算額)
3. 3級:報酬比例の年金額(最低保障額58万5100円)
4. 障害手当金 (一時金):報酬比例の年金額×2年分(最低保障額117万200円)
5. 配偶者加算額:22万4500円
 
障害基礎年金のみか、もしくは障害基礎年金に加えて障害厚生年金も支給されるのかで、金額に大きな違いがありますが、どちらにしてもこのように経済的な支援を受けることができることは、障害のために日常生活や仕事に制限を受ける身にとっては、かなりのメリットといえるでしょう。

まとめ

障害年金を受給するためには、手続きが完了するまでかなりの時間を要します。
 
診断書の受理や申請手続きはもちろん、申請が認められるまで3ヶ月程度は要することになりますので、もし、ご自身が障害年金を受給できる要件を満たしているのであれば、なるべく早めに申請手続きを開始するようにしてください。
 
障害年金の受給について、否定的な考えを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、自分自身が障害を持ちながら生きていくために法的に認められた制度ですので、自信をもって前向きに捉えるようにしましょう。
 
(参考)日本年金機構
「国民年金保険料の法定免除制度」
「死亡一時金」
「寡婦年金」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

関連記事

【FP解説】障害年金5つの誤解 働くと障害者年金がもらえない
障害年金の仕組みを知らないと請求手続きしても審査が通らないって本当?
公的年金に頼るのはいいけど、公的年金にかかる税金について理解していない人が続出!?
 



▲PAGETOP