更新日: 2020.06.23 その他年金
年金改革法の成立で、年金受給の繰上げ・繰下げはどう変わる?
今回はこの年金改革法により、今後の年金受給の繰上げ、また繰下げについてどのように考えていく必要があるのかについて解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com
老齢年金の繰上げ受給とは?
老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰上げて受けることができます。
昭和28年(女性は昭和33年)4月2日以降に生まれた方は、生年月日に応じて受給開始年齢が61歳以降ですが、60歳から受給開始年齢の前月までに請求することにより、「繰上げ受給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。
ただし、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わらないことに注意が必要です。
■全部繰上げと一部繰上げ
繰上げの方法には全部繰上げと一部繰上げがあり、どちらかを選ぶことができます。また、繰上げ支給の老齢基礎年金を受けても特別支給の老齢厚生年金は支給されます。(参考:日本年金機構「年金の繰上げ受給」(※1))
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
老齢年金の繰下げ受給とは?
老齢年金は、65歳になった時点で請求できますが、あえてその時点では請求をせずに66歳以降70歳までの間で申し出た時から繰下げて請求できます。
繰下げ受給の請求をした時点に応じて、最大で42%年金額が増額されます。繰下げには、老齢基礎年金の繰下げと老齢厚生年金の繰下げがあります。
■老齢基礎年金の繰下げ受給額
老齢基礎年金の繰下げ受給を選択した方は、繰下げを申し出た日の年齢に応じてではなく、月単位で年金額の増額が行われることになります。また、その増額率は一生変わりません。そして、その計算式は以下のとおりです。
増額率=(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数)×0.007
■老齢厚生年金の繰下げ受給額
厚生年金の繰上げ加算額については、原則、65歳時点の老齢厚生年金額を基準として、支給の繰下げの申出をした時期に応じて、計算されます。そして、その計算式は以下のとおりです。
繰下げ加算額=(繰下げ対象額+経過的加算額)×増額率
増額率については、請求時の年齢によって変わります。(参考:日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」(※2))
今回の改革で繰上げ・繰下げ受給はどう変わる?
■繰上げ受給の減額率が変更
現在は1ヶ月あたり0.5%ですので5年(60ヶ月)繰上げると最大30%の減額となりますが、2022年4月からは1ヶ月あたり0.4%、5年で最大24%の減額になります。
■繰下げ受給の対象年齢拡大および加算額の増加
現行では、繰下げ受給を申請できるのは「70歳まで」となっていますが、これが2022年4月1日より「75歳まで」に拡大される予定です。
また、加算額を算定に用いる増加率についてもその分増えることとなり、もし75歳まで10年間繰下げた場合、その増加率は現行で70歳まで5年間繰下げた場合の42%に比べ、84%と倍増します。
まとめ
今回の年金改革法の最大のポイントは、人生100年時代を見据えたものであるということです。したがって、自分がいつまで働けるのか。
また年金受給のタイミングについても、前もって把握し考えておく必要があります。もちろん、iDeCoやお勤め先で用意されている確定拠出年金などで、老後の生活費を運用という視野を含めて準備しておくことも大切です。
(※1)日本年金機構「年金の繰上げ受給」
(※2)日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員