最終更新日: 2021.04.15 公開日: 2021.04.16
年金

公的年金の改正法は共働き夫婦にとってプラス? マイナス?

執筆者 : 柘植輝

働き方の多様化と高齢期の経済基盤拡充という観点から、公的年金に関連する法律が一部改正されました。
 
今回の公的年金に関する改正が共働き夫婦においてプラスなのかマイナスなのか、改正点の中からいくつか内容をピックアップしながら検証していきます。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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iDeCoへの加入要件緩和

これまで、企業型確定拠出年金に加入されている方が個人型確定拠出年金であるiDeCoに加入するには、労使間の合意規約があるなど一定の条件が整った企業に限られており、多くの方がiDeCoに加入したくてもできない状況が続いていました。
 
そこで2022年10月より、労使間の合意規約などが存在しなくとも、全体の拠出限度額(5万5000円)から事業主の拠出分を除いた残りの枠の範囲でiDeCoに加入できるよう改正されることになりました。この点は、共働き夫婦にとってプラスに作用すると考えてよいでしょう。
 

厚生年金の加入要件の緩和

これまでパートや時短社員など勤務時間が通常の労働者と比べて4分の3未満であるような方は、週20時間以上、賃金が月8万8000円以上であるなど一定の要件を満たし、かつ従業員が501人以上の企業に勤めている場合にのみ厚生年金への加入義務が発生しており、扶養との兼ね合いから、もっと働きたくても無理に就業時間を抑えている方も存在していました。
 
今回の改正では、従業員の人数制限が段階的に緩和され、2022年10月には100人超え、2024年10月には50人超えの企業において厚生年金への加入が義務化となる方針で進められることになりました。これにより多くの方が厚生年金や健康保険に加入し、扶養の問題を気にすることなく働けるようになる点ではプラスとなります。
 
しかし、一部の厚生年金に加入しないで済む現状に満足しているという夫婦にとってはマイナスとなるでしょう。
 

厚生年金への早期加入化

これまで初回の契約期間が2ヶ月以内と定めて雇用されていた方は、契約の更新が見込まれていたとしても、当初の契約期間については厚生年金や健康保険に加入をしなくてもよいという運用がなされていました。
 
2022年10月からは当初の契約が2ヶ月以内であっても、その後に契約が更新されて雇用期間の合計が2ヶ月を超えることが見込まれる場合、最初の雇用期間から厚生年金や健康保険に加入できることになります。
 
共働きで、フルタイムにもかかわらず勤務先で厚生年金や健康保険に加入できないという問題が解消されるのはプラスとなりますが、できるだけ厚生年金に入らずに保険料分を浮かせたいという夫婦にとってはマイナスに働きます。
 

64歳までの在職老齢年金の引き上げ

60歳から64歳までの間、働きながら年金を受け取ろうとする場合、現行法上、年金と給料の合計が28万円を上回ると一定額ずつ年金の支給額が減少していく在職老齢年金の仕組みがあります。
 
この60歳から64歳までの間の在職老齢年金の適用となる金額が、2022年4月以降は28万円から47万円に引き上げられます。できるだけ長い間、共働きを続けたいという夫婦にとってはプラスに働きます。なお、本制度は一旦、男性が2025年、女性が2030年までの経過的措置になります。
 

年金の繰り下げ受給の上限年齢の引き上げ

現行60歳から70歳までの間で選択できる年金の受給時期の上限年齢が、2022年4月以降は75歳まで引き上げられます。これにより、共働き夫婦がより長く働き、年金の受給時期を遅らせることで増額された年金を受け取れるようになるため、そういった働き方をする場合はプラスとなるでしょう。
 
ちなみに65歳以降に年金の受給を繰り下げると、1月当たり0.7%年金額が増加されるため、75歳まで繰り下げると84%の増加になります。
 

年金制度改正法の成立は共働き夫婦にとってプラス方面に

厚生年金の加入要件の緩和や加入時期の早期化などを除き、基本的に今回の年金法の改正は、多くの共働き夫婦にとってプラス方面に働くと考えられます。共働き夫婦においては今回の年金法の改正を踏まえ、今後の働き方について今一度考えておきたいところです。
 
出典 厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
 
執筆者:柘植輝
行政書士