最終更新日: 2021.05.11 公開日: 2021.05.12
年金

厚生年金で最も高い保険料を納付している人の年収はどれくらい?

執筆者 : 辻章嗣

厚生年金の保険料は、毎月の給与と賞与の金額に応じて徴収されますが、対象となる給与と賞与の額には上限が設定されています。今回は、その上限の保険料を支払っている人の年収について考えてみます。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

厚生年金の保険料はどのように決まるの?

1.保険料の算定方法

厚生年金の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率18.3%をかけて計算され、事業主と被保険者とが半分ずつ負担しています(※1)。
 

 

2.標準報酬月額とは

厚生年金の毎月の保険料の計算に用いられる標準報酬月額とは、被保険者が受け取る給与(基本給のほかに残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定するもので、現在(令和3年度版)は1等級(8万8000円)から32等級(65万円)までに分かれています(※1、2)。
 

 

3.標準賞与額とは

厚生年金の賞与時の保険料の計算に用いられる標準賞与額とは、実際に支給される税引き前の賞与の額から千円未満の端数を切り捨てたもので、支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)につき、150万円が上限となります。
 
また、標準賞与額の対象となる賞与は、年3回以下の回数で支給されるもので賞与、ボーナス、期末手当などが該当します。なお、年4回以上支給される賞与については、標準報酬月額の対象となる報酬とされ、標準賞与額の対象とはなりません(※1)。
 

最高額の保険料を納付している人の保険料と年収は

1.標準報酬月額の最高額は65万円

標準報酬月額表の最高等級である32等級の標準報酬月額は65万円であり、報酬月額が63万5000円以上の人が該当します。従って、この人の毎月の保険料額は5万9475円、毎月の報酬額は最低でも63万5000円となります(※1、2)。
 

2.標準賞与額の最高額は150万円

標準賞与額の最高額は150万円ですので、1回当たりの賞与額が150万円以上の方の保険料は13万7250円となります。なお、標準賞与額の対象となる賞与などは、最大で年3回となります(※1)。
 

3.1年間に支払う保険料の最高額は

従って、1年間に支払う厚生年金保険料の最高額は以下のとおり、112万5450円になります(※1、2)。
年間の保険料=毎月の保険料額5万9475円×12月+賞与の保険料額13万7250円×3回
 

4.最高額の保険料を支払う人の年収は

そして、最高額の保険料を支払う人の年収は、以下のとおり少なくとも1212万円となります。
年収=毎月の報酬額63万5000円×12月+1回の賞与額150万円×3回
 

最高額の保険料を納付している人の年金額は

最高額の保険料を納付している人の老齢厚生年金の年金額はいくらになるか見てみましょう。
 

1.老齢厚生年金の年金額の算定

老齢厚生年金の年金額は、被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、被保険者期間の月数で除して得た平均標準報酬額と被保険者期間に一定の乗数を掛けて算定されます(※3)。
老齢厚生年金の年金額=平均標準報酬額×0.005769×被保険者期間の月数
 

2.最高額の保険料を支払う人の年金額は

それでは、最高額の保険料を支払う人が1年間被保険者であったとすると、将来受給できる老齢厚生年金の額をどのくらい増やすことができるのでしょうか。
 
まず、この人の平均標準報酬額は、以下のとおり102万5000円となります。
平均標準報酬額=(標準報酬月額65万円×12月+標準賞与額150万円×3回)÷12月
 
この人が1年間働いた場合、将来受給できる老齢厚生年金の年金額を以下のとおり7万959円増やすことができます(※3)。
老齢厚生年金の年金額=平均標準報酬額102万5000円×0.005769×12月
 

まとめ

厚生年金の保険料には上限があり、年収1212万円を超える人の年間の保険料は112万5450円が上限となります。この人が1年間働いた場合、将来受け取ることができる老齢厚生年金の年金額は約7万円に相当しますが、収入がいくら多くても老齢厚生年金の年金額をこれ以上増やすことはできません。
 
出典
(※1)日本年金機構 厚生年金保険の保険料
(※2)日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)
(※3)日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
 
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士