更新日: 2021.08.06 国民年金

免除していた国民年金保険料。追納はいつまで? 注意点は?

免除していた国民年金保険料。追納はいつまで? 注意点は?
国民年金保険料には、免除や猶予の制度が設けられています。ただし、それによって将来受給する老齢基礎年金を満額受け取れないことになります。
 
そのような問題を解消するために、免除や猶予の制度を受けた方に対しては追納を行うことで、将来受け取れる年金額を増やすことができるようになっています。
 
今回はこの追納制度について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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国民年金保険料の免除および猶予制度とは?

国民年金保険料は必ず納付する義務があります。しかし、何らかの理由で収入が減少した場合などでどうしても納付することが難しいという状況に陥った場合には、市区町村の窓口に届け出ることで、保険料の納付免除もしくは猶予を受けることができます。
 

■免除制度とは?

国民年金保険料の免除制度とは、本人や配偶者などの前年所得が一定額以下まで減少した場合や失業した場合に申請することで、納付が免除される制度です。ただし、申請しても承認されない場合もあり、その場合は納付を続ける必要があります。
 
免除される額の区分は4つに分かれており、「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」となっています。
 
また、収入の減少以外にも産前産後の免除制度が設けられています。この制度を利用することで、出産予定日の属する前の月から4ヶ月間、保険料支払いの免除を受けることができます。申請先は住んでいる市区町村の窓口で、出産予定日の半年前から申請できます。
 

■猶予制度とは?

所得減少の要件は免除制度と同様ですが、猶予制度については20歳から50歳未満の方しか受けることができません。これも市区町村の窓口に申請し、承認された場合に受けることができる制度です。
 
免除もしくは猶予制度を受けずに保険料を払わないでいる場合、その期間は未納として取り扱われます。また、免除および猶予期間に一定の障害となったり、死亡したりした場合には、障害年金もしくは遺族年金を受け取ることができます。
 
(参考:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(※1))
 

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免除および猶予期間の年金額への影響は?

国民年金保険料の免除および猶予を受けた際の取り扱いについては、以下のとおりとなっています。
 

 
この表でもわかるとおり、猶予制度の場合は追納を行わないと将来受け取る年金額には一切反映されません。
 

保険料を追納することのメリット

免除および猶予を受けていた期間の保険料を追納することにより、65歳以降に受け取ることができる老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることができます。ほかにも、追納は社会保険料控除の対象となることから、所得税および住民税の軽減につなげることができます。
 

追納のための手続きは?

保険料を追納する際には、年金事務所で手続きを行う必要があります。免除および猶予の申請は市区町村の担当窓口ですが、追納の場合は年金事務所での手続きが必要です。
 
年金事務所に所定の申請用紙を提出し、追納の申し込みを行います。申請の際には、マイナンバーがわかるものと本人確認書類が必要です。追納の保険料については、後日納付書が送られてきますので、その納付書にて納めます。口座振替やクレジットカードの利用はできません。
 
■追納を行う際の注意点
 
追納を行えるのは、追納が認められた月以前の10年間の免除および猶予期間です。したがって、10年以上前の免除および猶予期間の保険料を追納はできません。また、追納の際には、原則として免除および猶予期間の古いものから行われることとなります。
 
さらに注意していただきたい点は、免除および猶予期間を受けた翌月から3年を経過している場合は、その時点から経過した期間に応じた加算額が上乗せされることです。その他、老齢基礎年金を受給できる方においても、追納は認められていませんので注意してください。
 
(参考:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」(※2))
 

まとめ

国民年金保険料の納付において、一番やってはいけないことは未納です。未納が続くと、最終的に財産が差し押さえられることにもなりかねません。支払うのが難しいと感じた場合は、免除もしくは納付の申請を行うようにしましょう。
 
納付できる状態になった際には、早めに追納の手続きを行うことが大切です。追納は10年間分までできるとはいえ、3年を過ぎた分には加算額が発生します。できればそのような金額が発生しないように、3年以内に追納を開始できるよう検討してみてください。
 
出典
(※1)日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
(※2)日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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