更新日: 2021.11.18 国民年金
年収が上がって所得が増えたら、年金の追納がお得?
「後から年金保険料を納めるメリットってあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そのような方のために、年金の追納制度は「お得」なのかについて詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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年金の追納とは
年金の追納とは、保険料の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間の国民年金保険料を後から納付する手続きを意味します。まず、追納の対象者とは誰なのか? そして、保険料の免除や猶予期間の承認を受けた場合は将来の年金額にどのような影響があるのか詳しくみてみましょう。
追納の対象者
追納の対象者は保険料の免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間がある方です。収入の減少や失業等により毎月、国民年金保険料の納付が困難な場合には手続きをすることで、未納にはならずに保険料の免除や納付猶予制度の利用が可能です。
また、日本国内に住むすべての人には、20歳になったときから国民年金保険料の納付が義務づけられています。
しかし、20歳であれば学生の方も少なくありません。そこで学生には、申請することで在学中の保険料納付の猶予を受けられる「学生納付特例制度」があります。「追納なんて自分には無関係」と思っている方でも、大学等に進学された際に学生納付特例制度の承認を受けていれば、追納が可能です。
保険料の免除や納付猶予の承認を受けた場合の影響
保険料の免除や納付猶予が承認された期間は、年金の受給資格期間に算入されますが、受け取れる年金額は減ってしまいます。年金額を計算するとき、免除期間は保険料を納めたときに比べて2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)になり、納付猶予になった期間は年金額には反映しないため、将来受給できる年金額が少なくなります。
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年金保険料を追納するメリット
年金保険料を追納するメリットは2つあります。1つは「社会保険料控除を受けられる」、もう1つは「老齢基礎年金の年金が増える」点です。保険料を追納することで得られる2つのメリットについて考えてみましょう。
社会保険料控除を受けられる
年金を追納することで社会保険料控除を受けられ、所得税・住民税が軽減されます。例えば課税所得金額が約300万円、追納保険料額の年間合計が約40万円の場合、最大約8万円の所得税・住民税が軽減されます。
老齢基礎年金の年金額が増える
年間合計約40万円の追納を行った場合、納付猶予期間なら年約4万円、全額免除期間なら約2万円の年金額が将来にわたり増えます。
年金を追納する際の注意点
年金の追納にはメリットがある反面、注意点もあります。それは追納可能期間と加算額の発生です。追納はいつまでも可能なわけではなく、追納する際には加算額が発生する場合もあります。年金の追納を検討している方はその点も理解してから判断しましょう。追納の注意点について詳しくみていきましょう。
追納できるのは10年以内の免除等期間のみ
追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の期間のみとなっています。例えば、2021年11月に追納する場合は、2011年11月分以降の期間が追納できます。追納等可能月数と金額の確認は日本年金機構のHPでも計算することが可能です。
加算額が発生する
追納できるのは10年以内の免除等期間ですが、保険料の免除・納付猶予を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降は加算額が発生します。承認を受けた当時の保険料額に加算額が追加された金額となるため、追納をする場合は10年あるからと先延ばしにせずに早めに対応しましょう。
所得が増えたら年金の追納を検討しよう
以前は年金保険料を納める余裕のなかった場合でも、免除等の申請をしていれば後から追納可能です。年金の増額や社会保険料控除が受けられるなどメリットがありあります。追納には加算額が発生する可能性があるうえ、追納可能期間は10年と限りがあるため、追納を検討している方は早めの対応がおすすめです。
【出典】
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員