「ねんきん定期便」と「実際に支給される金額」は違う? 実際の手取りは何%?

配信日: 2021.12.06

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「ねんきん定期便」と「実際に支給される金額」は違う? 実際の手取りは何%?
ねんきん定期便にはこれまでの加入実績に応じた年金額や将来受け取れる年金額の見込額が記載されていますが、私たちが将来受け取る年金の金額はそこに記載のとおりとなるのでしょうか。ねんきん定期便に記載の年金額と実際の手取りについて説明していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

ねんきん定期便とは

ねんきん定期便とは、現役世代に対して年金についての理解を深めてもらうことなどを目的に発行されているもので、毎年誕生月に送られてくるものです。そこには年金加入者の年金に関する記録も記載されています。その中には将来受け取れる年金に関する記載もあり、50歳未満ではこれまでの加入実績に応じた年金額が、50歳以上となると年金見込額として将来の年金額が記載されます。
 

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ねんきん定期便と実際に支給される金額は同じ? 違う?

実際に年金を受け取れるようになると「過去のねんきん定期便に記載されている金額と実際に支給された金額が違った」といった経験をされる方がいるようです。これは間違いではありません。確かにねんきん定期便に記載されている金額と実際に支給される金額は異なることがあります。
 
なぜなら、ねんきん定期便に記載されている金額は、あくまでもねんきん定期便の作成時点での情報を基に一定の計算式で算出されたものであり、支給が確定している金額ではないからです。
 

実際の手取り額は税金などが引かれる

ねんきん定期便に記載の年金額と実際に年金の手取りとなる金額が違う理由はもう1つあります。それは税金や社会保険料の存在です。
 
実は年金は雑所得として所得税や住民税の対象となります。また、年金受給者も国民健康保険料や介護保険料といった社会保険料を支払う必要があります。65歳以上で年間の支給額が18万円以上ある場合、社会保険料は年金から特別徴収にて天引きされます。
 
そのため、総支給額がねんきん定期便記載のとおりだったとしても、天引きされて手取り額がねんきん定期便より少なくなるということがあるのです。
 

実際の手取り額はどれくらいになる?

年金から引かれる所得税や住民税、社会保険料などは年金額やお住まいの地域などによっても異なりますが、おおむね10%から15%になると想定されます。
 
仮に、受け取る年金の総額がねんきん定期便に記載のとおりだったとしても、手取り額は90%から85%前後になると想定されます。そのため、ねんきん定期便を見たとき、多くても9割くらいが手取りになるだろうなと思っておくのがよいです。
 

ねんきん定期便と実際の年金額は異なる

ねんきん定期便に記載されている年金額は、作成日時点での予定額であるため、実際に支給される金額とは異なるものです。また、仮に総支給額がねんきん定期便どおりであっても、支給額が18万円以上など一定の条件に該当すると税金などが年金から天引きされ、ねんきん定期便に記載の金額より支給額が低くなることもあります。
 
ねんきん定期便の記載額はあくまでも参考程度にとどめ、実際の年金手取り額は9割から8割5分程度になると考えるようにしてください。
 
出典
日本年金機構 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を天引きされるのはどのような人ですか。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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