更新日: 2021.12.14 その他年金

60歳でけがをして障害が残った……60歳以降でも障害基礎年金はもらえる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

60歳でけがをして障害が残った……60歳以降でも障害基礎年金はもらえる?
障害年金について調べていて「60歳で障害が残った場合は障害基礎年金を受け取れるのか知りたい」「障害基礎年金の要件を教えてほしい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
 
60歳でけがをして障害が残った場合でも、要件を満たしていれば障害基礎年金を受け取ることが可能です。
 
ここでは、障害基礎年金の年金額や受給要件、注意点などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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障害基礎年金とは

 
障害基礎年金とは、病気やけがで身体に一定の障害が生じた場合に受け取れる障害年金の一種です。病気やけがの初診日が国民年金加入期間中、もしくは20歳未満や60歳以上65歳未満の場合は国民年金加入期間でないとしても障害基礎年金を受給可能です。
 
初診日に厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」を請求できます。
 
障害基礎年金は、障害認定日に障害等級表に定める1級または2級の状態に該当している場合に支給されます。
 
ここでは、障害基礎年金の年金額、受給要件について見てみましょう
 

障害基礎年金の年金額

 
障害基礎年金の年金額は、障害の状態、また受給者に生計を維持されている子どもの人数によって変わります。2021年4月分からの障害基礎年金の年金額は図表1のとおりです。
 
図表1

障害の状態 年金額
1級 97万6125円+子どもの加算額
2級 78万900円+子どもの加算額

 
また、子どもの加算額は図表2のとおりです。
※「子ども」は、18歳になった後の最初の3月31日まで、または20歳未満で障害等級1級もしくは2級の状態にある子どものことです。
 
図表2

子どもの人数 加算額
2人まで 1人につき22万4700円
3人目以降 1人につき7万4900円

※受給者に生計を維持されている子どもがいるときに加算されます。
 

障害基礎年金の受給要件

 
障害基礎年金を受給できるのは、次の3つの要件をすべて満たす方です。
 
・障害の原因となる病気・けがの初診日が以下のいずれかの間にある
国民年金加入期間
20歳前、もしくは日本国内在住の60歳以上65歳未満で年金制度未加入期間
 
・障害の状態が障害認定日に障害等級表に定める1級・2級に該当している
※障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日
 
・初診日前日に初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間の合算期間が3分の2以上ある
※初診日が令和8年4月1日前のときは、初診日に65歳未満であれば、初診日前日に初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料未納期間がないこと
※初診日が20歳前で年金制度未加入期間にある場合は納付要件は不要
 
これらの要件を満たしている場合に障害基礎年金を受け取ることができます。
 

60歳以降でも障害基礎年金をもらうことは可能

 
障害基礎年金は60歳以降でも受け取ることが可能です。60歳以上65歳未満に病気やけががもとで一定以上(障害等級1級・2級)の障害が残った場合でも、要件をすべて満たしていれば等級と生計を維持している子どもの人数に応じた障害基礎年金額がもらえます。
 
障害認定日に法令に定める障害状態ではなかったとしても、その後状態が悪くなって障害状態になったときは、請求日の翌月から障害基礎年金を受け取ることができます(事後重症による請求)。ただし、65歳の誕生日の前々日までに請求書の提出が必要です。
 

障害基礎年金の注意点

 
障害基礎年金の受給要件を満たしているからといって、障害年金を自動的に受け取れるわけではありません。障害基礎年金を受給するには請求が必要となりますので忘れないようにしてください。
 
また、障害基礎年金受給に該当する障害の状態は、法令により次のように定められています。

・障害の程度1級

身のまわりのことはかろうじてできるがそれ以上の活動はできないなど、他人の介助がなければ、ほとんど日常生活のことができない障害の状態。

・障害の程度2級

家庭で簡単な調理はできてもそれ以上の重い活動はできないなど、必ずしも他人の介助が必要でなくても、日常生活が極めて困難で労働による収入を得られないほどの障害の状態。

障害基礎年金を請求する場合は、事前にかかりつけの医師などに相談してみてください。
 

障害基礎年金の要件を満たすか確かめてみましょう

 
60歳でけがをして障害が残った場合でも、要件をすべて満たしていれば障害基礎年金を受け取ることは可能です。
 
年金額は、障害等級が1級の場合は97万6125円+子どもの加算額、2級は78万900円+子どもの加算額となります。※金額は2021年4月分~
 
まずは、障害基礎年金の受給要件を満たすか確かめて、満たす場合は、請求手続きを行いましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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