更新日: 2022.05.17 国民年金

学生納付特例制度を利用せずに、年金も未払い。そんな場合どうなる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

学生納付特例制度を利用せずに、年金も未払い。そんな場合どうなる?
学生であっても、20歳以上60歳未満の日本国内在住者には国民年金保険料の納付義務があります。とはいえ、さまざまな理由で納付が困難な人も少なくありません。そんな人のために、国では学生納付特例制度を設けています。本制度を利用することで、在学中に限って国民年金保険料の納付が猶予されます。
 
本記事では、国民年金と学生納付特例制度の概要とともに、本制度未利用で年金も未払いの場合に発生する事態について紹介します。
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国民年金とは

日本には国民皆年金制度があります。そのため、20歳以上60歳未満で日本に住む全ての人が国民年金に加入することになります。
 

・国民年金の概要

国民皆年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。国民年金はその1階部分にあたるため、老齢基礎年金とも呼ばれます。対象者は、自営業者や学生、無職の人などです。保険料は、本人または保険料連帯納付義務者と呼ばれる世帯主や配偶者が納付します。なお、令和4年度の保険料は1万6590円です。また、国民年金の受給は原則65歳からで、令和4年度の年金額は6万4816円(満額)です。
 

学生納付特例制度未利用で年金も未払いな場合に起こること

国民年金の保険料納付は、日本に住む20歳以上60歳未満の人の義務であるため、未払いの場合にはいくつかの不具合が生じます。そのため、国や日本年金機構では、納付が困難な学生に対して学生納付特例制度の利用を推奨しています。
 

・学生納付特例制度の概要

学生納付特例制度は、何らかの事情で国民年金の保険料を納付できない学生が利用できます。対象となるのは、大学・大学院・短大・高等学校・高等専門学校・専修学校・各種学校などに在籍中の20歳以上60歳未満の学生で、この制度を受けようとする前年の所得が国の定める基準額以下の人です。なお、本制度によって猶予された期間がある場合、その分の年金は減額されることになります。
 

・学生納付特例制度を未利用の場合に起こること

国民年金保険料を納付期限までに収めずにいると、日本年金機構によって納付勧奨が実施されます。それでも納めずにいると、保険料連帯納付義務者への強制徴収に発展する可能性が高まります。
 

・年金未払いの場合に生じる不具合

年金が未払いの場合、65歳から受給できる老齢年金だけでなく、ケガや病気で労働が困難になった場合の障害基礎年金や、被保険者が死亡したときに扶養家族(子どものいる配偶者と子ども)に支給される遺族基礎年金が受給できない可能性があります。
 

学生納付特例制度の申請方法

学生納付特例制度の利用には申請が必要です。また、過去にさかのぼっての申請もできます。
 

・学生納付特例制度の申請方法

学生納付特例制度を申請するには、申請書(日本年金機構のHPからダウンロード可能)、学生証のコピーまたは在学証明書の原本、基礎年金番号通知書または年金手帳のコピーといった書類が必要です。これら書類を、住所地の市区町村役場か年金事務所の窓口または郵送で提出します。
 
また、在学中の学校が学生納付特例事務法人である場合に限り、申請の委託も可能です。なお、申請可能な期間は、過去期間が申請書の受理された月から2年1ヶ月前まで、将来期間が年度末までとなっています。
 

追納制度を利用して年金額を補おう

学生納付特例制度を利用した場合、猶予された期間の分だけ年金が減額されます。ただし、本制度は追納が可能なため、猶予によって減った分の年金額を増額させることが可能です。追納できるのは、猶予が承認された月から10年以内の保険料です。追納の申込みは住所地の年金事務所で行い、後日郵送される振込書を使って納付します。なお、追納する場合は、原則として古い期間の保険料から支払います。
 

出典

国民年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
国民年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 年金の制度・手続き
日本年金機構 学生のみなさまへ
社会保険庁 国民年金保険料の強制徴収に係る連帯納付義務者からの徴収について(通知)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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