国民年金保険料未納の理由は何が一番多い?
配信日: 2022.05.17
国民年金保険料を未納する理由はどのようなものが多いのか、解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
年収1000万円以上の世帯でも7割が「保険料の高さ」を指摘
2020年に厚生労働省が行った「国民年金被保険者実態調査」において、納付対象月の国民年金保険料を納めていない人にその理由を聞いたところ、最も多いのは「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と答えた割合で、76%にのぼりました。
年齢別にみると最も多いのは50~54歳で80.3%、最も少ないのは20~24歳で67.7%です。世帯の総所得別に保険料を支払わない理由をみていくと、年収500万円~1000万円未満の世帯の71.1%、1000万円以上の世帯の71.4%で「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と回答したことがわかりました。
さらに「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」を選んだ理由を問うと、「もともと収入が少ない、あるいは不安定だったから」を選んだ割合が最も高く61.9%、次が「保険料より優先度の高い支出が多かったから」の17.7%で、「失業、倒産、天災、事故、病気などにより所得が低下したから」の15.2%を上回りました。
一方、国民年金保険料を納めていないことへの意識を尋ねたところ、「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」と回答した人が70.9%にのぼりました。ただ年収1000万円以上の世帯では55.8%にとどまり、「国民年金はあてにしていないので納めるつもりはない」と回答した割合が、年収1000万円未満の世帯と比べて高くなっています。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
免除・猶予制度は4分の3、強制徴収は過半数が知っている
第1号被保険者の、国民年金保険料の最終納付率は77.2%と高いですが、この数字には全額免除・猶予者の割合を含んでいます。第1号被保険者のうち、実際納付しているのは726万人で50.1%、全額免除・猶予者が609万人で42%、2年以上の未納者が7.9%を占めています。
この保険料の全額免除・一部免除の制度について、知っているかどうかを未納者に尋ねたところ、74.3%が知っていると答えました。一方で50歳未満を対象とした納付猶予制度については、31.2%にとどまっています。
国民年金保険料の支払いは義務で、長く滞納し続けると財産の差し押さえなど強制徴収を受ける場合があります。この「強制徴収」を知っているかどうか尋ねたところ、未納者の半数以上が知っていると回答しています。保険料免除制度や強制徴収といったしくみを理解しながらも、国民年金保険料の滞納を続けている人が一定数いることがわかっています。
単なる困窮ではなく制度への不満も
国民年金保険料を納めていない人の76%が経済的な理由で、国民年金保険料を納めていないと答えています。ただし年収1000万円以上の世帯でも、経済的理由を挙げている割合が7割です。単に困窮を理由としているのではなく、国民年金制度をあてにしていないことや、支払いに見合う対価が支払われないことへの不満も背景にあることがうかがえます。
出典
厚生労働省 国民年金被保険者実態調査
厚生労働省 国民年金の加入・納付状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部