厚生年金の自分の等級は知ってる?調べ方や将来の年金との関係とは?

配信日: 2022.06.12

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厚生年金の自分の等級は知ってる?調べ方や将来の年金との関係とは?
厚生年金の等級について「どのような場合に自ら調べる必要があるのか?」「等級が高いと将来もらえる年金も多くなるの?」など疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
 
等級が決まる仕組みや自分の等級を知っておくことは大切です。そうすることで、厚生年金保険料がどのように決まるのかも把握できます。
 
本記事では、厚生年金の等級の調べ方や年金との関係について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

厚生年金の等級とは

 
厚生年金の等級とは、標準報酬月額をもとにして1〜32等級まで分類されており、厚生年金保険料算定の際に基礎となるものです。
 
ここからは、等級の調べ方や厚生年金保険料額表の見方を説明します。
 

等級の調べ方

 
自身の厚生年金等級を調べる手順は、次のとおりです。

1.報酬月額を確認
2.厚生年金保険料額表で等級を確認

等級を調べるには、自身の報酬月額を確認しなくてはいけません。報酬月額は、会社から支給される基本給に、通勤手当や役職手当、時間外手当などの手当を加えた1ヶ月の総支給額です。ただし、見舞金や出張旅費、年3回以下の賞与などは月額報酬の対象にはなりません。
 
報酬月額を把握した後は、厚生年金保険料額表で等級を調べます。日本年金機構のホームページに厚生年金保険料額表のPDFデータがあるので利用しましょう。この記事では図表1に掲載します。見方は簡単で、報酬月額が当てはまる等級を確認するだけです。以下で厚生年金保険料額表を説明します。
 

厚生年金保険料額表の見方

厚生年金保険料額表(図表1)では、等級・標準報酬月額・報酬月額・厚生年金保険料(全額・折半額)が掲載されています。
 
図表1

出典:日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)
 
報酬月額は会社から1ヶ月間に受け取る総支給額のことです。
 
例えば、報酬月額が25万円の場合は17等級、報酬月額が40万円の場合は24等級となります。このように、報酬月額から自身の厚生年金の等級を調べることが可能です。
 
そして、月収が30万円の場合、報酬月額は29〜31万円に該当します。そのため、等級は19、標準報酬月額は30万円となり、厚生年金保険料は5万4900円です。厚生年金保険料は会社と折半になるため、自己負担額は2万7450円となります。
 
報酬月額が63万5000円以上の場合は32等級、標準報酬月額65万円となり、厚生年金保険料は5万9475円(折半額)です。
 
このように、1〜32等級のうち、どの等級に該当するかで毎月の厚生年金保険料が変わります。1等級であれば折半額は8052円、10等級は1万4640円、20等級は2万9280円、30等級は5万3985円、32等級は5万9475円です。
 
1等級と32等級では、月額5万円以上、年間60万円以上の差があります。
 

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等級が高いと将来の年金額も多くなる

厚生年金の等級が高いと、将来もらえる年金額も多くなります。厚生年金の大部分を占める「報酬比例部分の年金額」は、標準報酬月額が高いほど多くなるからです。等級が高くなるにつれ、標準報酬月額も増えるため、等級が高いと年金額が多くなります。
 

厚生年金受給額の計算方法

以下は、厚生年金受給額の計算方法です。
 
・報酬比例部分の年金額+経過的加算+加給年金額
 
「報酬比例部分の年金額」の計算方法は、厚生年金加入時期によって異なります。
 
1.厚生年金加入時期が平成15年3月以前の場合
・平均標準報酬月額×(7.125/1000 ※生年月日に応じて変わります)×平成15年3月以前の加入期間の月数
※平均標準報酬月額……平成15年3月以前に加入期間中の標準報酬月額の総額を、平成15年3月以前の加入期間で割った金額
 
2.厚生年金加入時期が平成15年4月以後の場合
・平均標準報酬額×(5.481/1000 ※生年月日に応じて変わります)×平成15年4月以後の加入期間の月数
※平均標準報酬額……平成15年4月以降に加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の加入期間で割った金額
 
1と2を合算した金額が、報酬比例部分の年金額です。
 
なお、「経過的加算」の計算方法は、次のとおりです。
 
・定額部分に相当する金額−77万7800円(令和4年度)×(厚生年金加入月数÷480月)
※定額部分は「1628円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数」で求めます。
 

加給年金

「加給年金」は、20年以上の厚生年金加入期間のある方が65歳になったとき、配偶者や子どもが下記要件を満たす場合に加算される年金です。

●配偶者は65歳未満
●子どもは年度の末日までに18歳に到達していない、または、1・2級の障害の状態にある20歳未満

加給年金額は、配偶者は22万3800円、1人目・2人目の子どもは各22万3800円、3人目以降の子どもは7万4600円となります。
 
また、老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に3万3100円~16万5100円が特別加算されます。
 

現在の厚生年金の等級を調べてみましょう

 
自身の厚生年金の等級は、報酬月額が分かれば厚生年金保険料額表から確認できます。調べ方は簡単なので、初めての方でも安心です。
 
等級が高くなるほど標準報酬月額が上がるため、毎月の年金保険料は高くなりますが、将来もらえる年金額も多くなります。
 
自身の厚生年金額を調べるうえで、厚生年金の等級が分からない方は、早速、報酬月額を確認して調べてみてください。
 

出典

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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