学生時代の追納をしませんでした。満額と比べるとどのくらい年金額がカットされますか?

配信日: 2022.06.24

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学生時代の追納をしませんでした。満額と比べるとどのくらい年金額がカットされますか?
学生でも20歳以降は国民年金の被保険者となり、保険料の納付義務があります。しかし、収入がなくて、在学中の保険料の納付を猶予される「学生納付特例制度」の申請を行った人もいるのではないでしょうか。
 
社会人になって、経済的な余裕ができて納付が済んでいれば、特に問題はないでしょう。しかし、納付期間の猶予を受けたものの、未納のままでは将来的にもらえる年金額に影響が出るので注意が必要です。
 
当記事では、学生納付特例制度の概要をはじめ、追納しなかったときの年金額への影響、追納しなかった場合の年金額について解説します。

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学生納付特例制度の概要

前年の所得が一定以下の学生なら、「学生納付特例制度」にて国民年金保険料の納付が猶予されます。この制度によって、10年以内なら保険料をさかのぼって納付(追納)が可能です。追納をすれば、老齢基礎年金の受給額が満額に近づけられるでしょう。
 
しかし、学生納付特例制度は猶予であって、保険料の納付が免除されるわけではありません。あくまでも保険料の後払いを前提にした制度なので、未納のままでは将来的にもらえる年金額が減額されます。
 
なお、国民年金保険料の学生納付特例制度の対象者は以下のとおりです。
 

●本人の所得が一定〔128万円(令和2年度以前は118万円)+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等〕以下の学生
 
●大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する学生(夜間・定時制課程、通信課程の学生も含む)

 
申請先は、住民登録をしている市区町村役所の国民年金担当窓口、年金事務所、在学中の学校(学生納付特例制度の対象校または申請を代行できる学生納付特例事務法人の指定を受けている学校に限る)です。
 
申請用紙に基礎年金番号通知書のコピーあるいは年金手帳(氏名の記載ページ)のコピー、学生であること・学生であったことを証明する書類(在学期間が分かる在学証明書の原本や学生証等)を添付して申請してください。
 

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追納しなかったときの影響(年金額への影響など)

国民年金保険料を追納しないと、障害や死亡といった不慮の事態が発生した際に、障害基礎年金や遺族基礎年金を受給できない場合があります。また、保険料の納付期間が少なくなると、その分だけ受給できる年金額が減るので注意してください。
 
こちらでは、国民年金保険料の追納をしなかった場合、満額と比べてどのくらいの金額差があるのかを解説します。
 

追納しなかった場合の年金額

老齢基礎年金を満額受給できるのは、全期間である20~60歳までの40年間(480ヶ月)に保険料を全額納付した人です。保険料を全期間納付した場合、受給できる年金額は令和4年度の満額で77万7800円(月額6万4816円)ですが、未納期間があるとその月数分だけ将来受け取れる年金額が減額されます。
 
老齢基礎年金の計算式は以下のとおりです。
 
・年間受給額=77万7800円(令和4年度、老齢基礎年金の満額)×国民年金保険料の納付月数÷480ヶ月
 
例えば、20~60歳までの40年間のうち3年間の未納があれば、保険料の納付月数は444ヶ月です。77万7800円×444(保険料の納付月数)÷480=71万9465円となり、満額納付した場合と受給額が6万円近く変わります。仮に77万7800円を65~90歳までの25年間受給したときの合計額と比べると、約150万円もの差が出てしまうのです。
 
もし、猶予を受けてから10年以上経過してしまい、追納期限が過ぎても60歳以降の「任意加入制度」を活用すればリカバーできます。国民年金の加入期間は60歳まで、480ヶ月で満額です。この480ヶ月に足りない期間を、60~65歳までの間に国民年金に任意加入して国民年金保険料を納付するのです。
 
任意加入制度の加入手続きは、住民登録をしている市区町村役所の国民年金担当窓口、年金事務所で行います。また、自分が任意加入できるか分からない方は、まずは問い合わせてみましょう。
 

年金を追納しないと受給額に差が出る

学生納付特例制度を利用すれば、10年以内にさかのぼって国民年金保険料の追納が可能です。追納をすれば、年金の受給額を満額に近づけられます。
 
国民年金保険料を追納しなければ将来的な受給額は減りますが、社会人になったばかりで経済的に安定していない時期に追納が難しい人も多いでしょう。そのようなときは、経済的に余裕があるタイミングまで納付を先延ばしすることも有効です。
 
ちなみに、生命保険文化センターが行った令和元年度の「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後生活を送る際に必要な最低日常生活費は月額平均22万1000円となっています。
 
このようなことから、将来、老後資金が足りなくて困らないためにも、国民年金保険料を追納して、満額納付できるようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
公益財団法人生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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