想像以上に年金はもらえない? 年金にかかる税金とその税率をFPが徹底解説!

配信日: 2022.09.29

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想像以上に年金はもらえない? 年金にかかる税金とその税率をFPが徹底解説!
急激な円安や物価高騰を受け、セカンドライフに不安を抱く方も多いでしょう。
 
しかも、セカンドライフを支える年金の受給額は減額傾向にあり、将来的には想像以上に少なくなる可能性もあります。これから年金を受給する方にとって「公的年金がもらえるのか?」ということは、とても関心のある問題ではないでしょうか?
 
そこでこの記事では、年金にかかる税金と実際の受給額がどれくらいになるのかを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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公的年金の平均受給額は想像以上に少ない

厚生労働省が公開している「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(第1号)受給者の平均年金月額は14万6145円です。厚生年金の保険料と受給額は、給与や賞与によって大きく変わるため、あくまで参考の金額ですが、「想像以上に少ない」と感じる方も多いでしょう。
 
さらに公的年金は、雑所得として所得税および住民税が課されるほか、社会保険料も源泉徴収されるため、手取り金額はさらに少なくなります。
 

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公的年金の手取り金額はどれくらいになるか?

では、実際に公的年金の手取り金額はどれくらいになるのでしょうか?
 
公的年金の手取り金額は、「年金収入-所得税-住民税-社会保険料」で計算します。
 
ここでは、モデルケースとして図表1の条件で公的年金の手取り金額を計算してみましょう。
 
【図表1】モデルケース

年齢 65歳以上(扶養親族なし)
年金収入(1年間) 240万円
社会保険料(1年間)※ 14万円

※居住する市区町村により異なります
 
まず、公的年金に係る雑所得の金額は、図表2の速算表によって求めます。
 
【図表2】公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)※65歳以上の場合

110万円以下 0円
110万円超330万円未満 収入金額合計-110万円
330万円以上410万円未満 収入金額合計×0.75-27万5000円
410万円以上770万円未満 収入金額合計×0.85-68万5000円
770万円以上1000万円未満 収入金額合計×0.95-145万5000円
1000万円以上 収入金額合計-195万5000円

出典:国税庁 公的年金等の課税関係
 
モデルケースの場合の雑所得は以下のとおりです。
 
【雑所得】
240万円-110万円=130万円
 
次に、雑所得から各種控除を行い、課税所得金額を計算します。
 
【課税所得金額】
130万円-48万円(基礎控除)-14万円(社会保険料控除)=68万円
 
続いて、課税所得から所得税と住民税を求めます。
 
【所得税】
68万円×5.105%(※1)=3万4000円
 
※1 令和19年(2037年)12月31日までに生ずる所得には、復興特別所得税が付されます
 
【住民税】
68万円×10%(所得割)+5000円(均等割)=7万8000円
 
【社会保険料】
居住する市区町村により異なりますが、ここでは標準的なモデルケースとして14万0000円としています。
 
【手取り金額】
240万円-3万4000円(所得税)-7万8000円(住民税)-14万円(社会保険料)=214万8000円
 
モデルケースの場合、公的年金の手取り金額は214万8000円となり、想像以上に少ない結果となりました。
 
このため、将来的なライフプランニングを考える際は、「年金の手取り額」をベースとするのが基本といえるでしょう。
 

年金受給者の確定申告不要制度とは?

年金受給者には、申告手続きの負担を減らすために「確定申告不要制度」が設けられており、一定の条件を満たす場合は、源泉徴収で課税関係が終了します。
 
「確定申告不要制度」の対象となるのは、下記の条件いずれにも該当する方です。
 

【確定申告不要制度の対象者】

1.公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、そのすべてが源泉徴収の対象となっている
2.公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が年間20万円以下である

 
出典:政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度

 
つまり、公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、ほかの収入がない方のほとんどは、「確定申告不要制度」の対象となります。
 
しかし、「確定申告不要制度」の対象者でも、以下に該当する方は確定申告することによって、所得税の還付を受けられる場合があります。
 

【確定申告により所得税の還付を受けられる可能性があるケース】

1.住宅ローンを使って自宅を新築、取得、増築した場合(住宅借入金等特別控除などの適用を受けられる可能性がある)
2.一定額以上の医療費を支払った場合(医療費控除の適用を受けられる可能性がある)
3.災害や盗難にあった場合(雑損控除の適用を受けられる可能性がある)

 
このため、公的年金を受給している方は、基本的に確定申告不要で、所得税の還付を受けられる場合に限り確定申告を行うのがよいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1600 公的年金等の課税関係
厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
政府広報オンライン ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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