更新日: 2022.11.02 その他年金
「年金」を勉強するのにおすすめの資格! 受験資格や難易度などを解説
そのようなときは、体系的に学べる上に学習結果が形に残る資格試験への挑戦がおすすめです。今回は、誰でも受験しやすい「年金について学べる資格」を紹介します。
執筆者:棚田将史(たなだ まさふみ)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種
年金の資格なら「年金アドバイザー」と「ファイナンシャル・プランニング技能士」
年金について学習する資格なら、「年金アドバイザー」と「ファイナンシャル・プランニング技能士」の2つがおすすめです。受験資格や年の試験回数においても、比較的受験しやすい資格です。
年金アドバイザー(銀行業務検定)
年金アドバイザーとは、公的年金や年金基金などの基礎知識・実践的応用力を証明できる民間資格です。主に年金関係の渉外・窓口業務を担当する方を対象にしており、銀行業務検定と呼ばれる検定の1つとなっています。
国家資格ではないものの、設立50年以上となる銀行業務検定協会が主催・運営する歴史ある検定です。実際に、年金アドバイザーの取得を昇給・昇格の条件としている金融機関も存在します。
障害や遺族年金を含めた、国民年金・厚生年金の分野を深く、学習できるため、年金を勉強するきっかけにはもってこいの資格です。個人差がありますが、おおよそ2~3ヶ月ほどの学習で合格点に届くでしょう。
検定は2級・3級・4級の3種類(1級はなし)です。いずれも受験資格はなく、どなたでも受験できます。2級はすべて記述式となっており難易度が高いので、選択式の3級または4級からの受験がおすすめです。
試験月は3月または10月です。3級のみ、3月と10月の両方で試験が開催されます。また3級および4級はCBT方式(コンピュータを使用することで、1年を通じて日本中の会場で受けられる試験方式)での試験も受け付けており、2023年3月31日までは全国各地で平日・休日問わず受験が可能です(2022年10月現在)。
ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP)は、ライフプラン・保険・金融資産運用・税金・不動産・相続という、お金に関する6分野の知識が問われる国家資格です。
ファイナンシャルプランナーとも呼ばれています。試験範囲には公的年金や企業年金、個人年金制度なども含まれています。また税金の仕組みや保険商品についても学習するため、年金だけでなくお金についての網羅的な学習が可能です。
検定には1級・2級・3級があります。3級に受験資格はなく、2級は「3級取得」「AFP認定研修の受講修了」「FP実務経験2年以上」のいずれかを満たせば受験できます。3級なら2ヶ月、人によっては1ヶ月未満の学習で合格を狙えるレベルです。3級合格者なら、2級も2~3ヶ月程度の勉強で十分に挑戦できます。
試験月は原則として1月・5月・9月です。年に3回の受験チャンスがあるので、都合のよいタイミングを選べるのもうれしいポイントといえます。
なお、主催・運営は日本FP協会と金融財政事情研究会の2つがありますが、どちらで受験しても同じ資格です。ただし、実技の試験範囲が少しだけ異なるので注意しましょう。日本FP協会は浅く広く、金融財政事情研究会は範囲がやや狭く深いというイメージになります。
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年金のスペシャリストになりたいなら社会保険労務士
あらゆる資格の中で年金のスペシャリストともいえるのが、士業の一つでもある社会保険労務士(以下、社労士)です。年金アドバイザーやFPと異なり、年金に関する手続きの代行を依頼者からお金を受け取って行うことが認められています。
また、社労士は労働基準法・雇用保険法といった労働関係の法律も幅広く学習します。まさに労働・社会保険の専門家です。将来的な独立や人事部への転職の可能性など、キャリアアップも狙える資格といえるでしょう。
ただし、合格難易度は非常に高く、年単位での学習スケジュールを組む必要があります。また受験資格として、「学歴」「実務経験」「特定の資格取得」のいずれかを満たす必要があります。
「少しだけ年金を勉強したい」というレベルではありませんが、年金について学習していく上でより知見を深めたいときは、挑戦してみるのもよいでしょう。年金アドバイザーやFPも社会保険労務士の試験範囲になるので、そちらを先に受験するのもおすすめです。
出典
銀行業務検定協会
経済法令研究会 年金アドバイザー3級
全国社会保険労務士会連合会試験センター 受験資格について
執筆者:棚田将史
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種