年金受給者で「確定申告」が必要な場合とは?条件を確認してみよう

配信日: 2022.11.13

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年金受給者で「確定申告」が必要な場合とは?条件を確認してみよう
会社員として働いている間は、基本的に年末調整を会社がしてくれているため、個人で確定申告をするのは医療費控除や住宅ローン控除といった場合に限られることがほとんどです。
 
しかし、年金を受給するようになった際に、自分で税金の処理をする必要があるのかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では年金受給者で確定申告をしなければならない条件や、した方が良い場合について解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金には所得税がかかる

そもそも、公的年金等には所得税がかからないと思っている方もいますが、一定の所得以上の場合は所得税が課税されます。具体的には、公的年金は公的年金等控除額と所得税の基礎控除を考慮し、下記の場合は所得税がかかります。なお、今回の計算上、収入は年金のみとします。
 

●65歳未満・・・受給額が108万円を超える(公的年金等控除額60万円+基礎控除48万円)
●65歳以上・・・受給額が158万円を超える(公的年金等控除額110万円+基礎控除48万円)
ちなみに、「遺族年金」や「障害年金」の場合は「非課税所得」ですので、課税対象とはなりません。

 

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多くの年金受給者は確定申告が不要

所定の金額を超える場合には所得税を支払う必要がありますが、多くの年金受給者は確定申告が不要です。会社員時代に給料から所得税が引かれて振り込まれていたのと同じように、「公的年金等に係る確定申告不要制度」の適用を受けることで、自身で面倒な確定申告をする必要がありません。
 
ただ、この制度には利用の条件がありますので、続けて説明していきます。
 

確定申告が不要となる条件とは

確定申告が不要となるには2つの条件を満たす必要があります。
 

条件1 源泉徴収された年金と他の収入合計が400万円以下

1つ目の条件は、公的年金等と他での収入合計が400万円以下、かつこれらの公的年金等のすべてが源泉徴収の対象となっていることです。公的年金等とは、「老齢基礎年金」、「老齢厚生年金」、「企業年金」、「恩給」などが当てはまります。
 

条件2 年金以外の所得の合計が20万円以下

2つ目の条件は、公的年金等以外の所得の合計が20万円以下というものです。給与所得、一時所得、株式などの譲渡所得、不動産所得、公的年金等以外の雑所得など、さまざまな所得が該当します。
 

年金以外の所得がある場合は要注意

確定申告が不要となる2つの条件を満たす際に注意が必要なのが、年金以外の所得がある場合です。アルバイトをしていたり、株式などの運用収入があったり、家賃収入があったりすると、条件となる所得を超えることもあるかもしれません。2つの条件を満たさない場合には、自分で確定申告を行う必要がありますので注意が必要です。
 

確定申告をした方が良い場合

確定申告をすることで税金が戻る可能性があります。
 
例えば、「生計が同じ親族の社会保険料を支払った場合」、「10万円を超える医療費を支払った場合」、「生命保険や個人年金の保険料を支払っている場合」、「災害や盗難などで損害を得た家財に対して災害関連支出をした場合」、「多額の寄付をした場合」などが該当します。
 
損をしないためにも、自分でしっかりと申告しましょう。
 

必要に応じて、年金受給中も確定申告をしましょう

年金受給者でも、高収入、年金以外での所定の収入があるといった場合には確定申告をする必要があります。また、確定申告をすることで税金の還付を受けられる場合もあります。ぜひ、自分の所得を見直し、必要な手続きを行うようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.1600 公的年金などの課税関係

国税庁 No.1199 基礎控除

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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