更新日: 2022.11.28 厚生年金

65歳以降も厚生年金に加入して働くと、年金は月いくら増える?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

65歳以降も厚生年金に加入して働くと、年金は月いくら増える?
65歳以降も厚生年金に加入して働こうかと考えているものの、その場合、受け取れる年金は月にどのくらい増えるのか気になっている人も多くいるでしょう。
 
本記事ではそのような人に向けて、老齢基礎年金と老齢厚生年金の基礎知識や、65歳以降も働いて厚生年金を納めた場合に受け取れる年金額の算出方法などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

定年後の年金制度について知ろう

日本の公的年金制度は「2階建て」と表現されるように、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金保険」の2種類があり、厚生年金保険料を支払うことでより年金額を増やすことが可能になります。
 
両者はそれぞれ特徴が異なり、老齢基礎年金は加入期間の上限が480ヶ月と定められているため、60歳以降ですでに加入期間が上限月を達していれば、定年後に働き続けても老齢基礎年金が増えることはありません。ちなみに老齢基礎年金の満額は令和4年度で約78万円です。
 
なお、老齢基礎年金は480ヶ月以上の支払いはできませんが、失業などで未納期間があり、60歳を迎えた時点で支払期間が480ヶ月に達していない場合は、定年後も未納の分の額を払い、過去分の穴埋めをすることが認められています。
 
上限まで支払っている人は年間約78万円受け取れるものの、未納分がある場合は未納の期間に応じて受け取れる金額が少なくなってしまうため注意が必要です。そのため、定年を迎えても480ヶ月分支払っていない場合は、続けて支払って受け取れる年金額を増やすとよいでしょう。
 
一方、老齢厚生年金については老齢基礎年金と異なり、満70歳まで支払うことが可能で、定年後も支払いを続けることで標準報酬月額と働いた期間に応じた額の年金を増やせます。
 
老齢厚生年金の額は「平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数」と「平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数」を足すことで算出(1円未満は四捨五入)できます。
 
例えば、標準報酬月額が30万円の人が定年を迎えた65歳から70歳まで5年間働くと、受け取れる老齢厚生年金は年額で9万8658円増え、月に換算すると約8200円増額します。
 
なお、2022年4月からは「在職定時改定」という制度が導入されたことも特筆すべきでしょう。この制度は65歳~70歳の間に老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金を支払う人に対して、定年後ではなく、在職中に定期的に年金の支給額を再計算し、支払った保険料分を反映して支給するものです。
 
具体的には毎年9月1日の時点で厚生年金の被保険者である場合、前月である8月までの加入実績に応じて10月から年金額が改定され、改定された分の年金額は12月以降に支払われる仕組みとなっています。
 

受け取れる年金を増やすためには、定年後も厚生年金を払い続けよう

本記事で解説したように、老齢基礎年金は上限480ヶ月を超えて支払うことはできませんが、老齢厚生年金は定年を迎えてからも働いて納めることで、受け取れる年金額を増やすことが可能です。
 
具体的にどの程度増えるのかは、本記事で紹介した計算式に当てはめて計算してみましょう。定年後も70歳までは老齢厚生年金を支払うことができるため、受け取る年金を増やしたい人は定年後も働いて厚生年金を払うのがおすすめです。
 

出典

厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
東洋経済ONLINE 年金は定年後の65歳以降も働くとどうなるのか 2022年からの年金制度変更を知っていますか
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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