更新日: 2022.12.19 その他年金
実際にもらってる年金額は「14万9700円」が平均! 手取りだといくらになる?
ここでは、国民年金、厚生年金の平均受給額を紹介し、そこから税金が引かれた後の手取り額を試算してみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年金受給額の平均はどれくらい?
自営業やフリーランスなどで生計を立てていた人は、国民年金の第1号被保険者、厚生年金加入者に扶養されていた配偶者は第3号被保険者です。第1号、第3号の被保険者とも、他の年金制度に加入した経歴がない場合、受給できる年金は国民年金だけになります。2022年度における国民年金の1年間の満額支給額は「77万7800円」です。月額にするとおよそ6万4817円になります。
では、実際に国民年金だけを受給している人は、どのくらいの額を受け取っているのでしょうか。2022年6月末時点で、実際に国民年金だけを受給している人の平均受給月額は、25年以上加入の人で5万2013円となっています。これを年額換算すると「62万4156円」です。
厚生年金に加入していた人は同時に国民年金にも加入しており、国民年金では第2号被保険者という区分です。この区分の人は、厚生年金と国民年金の両方を受給することができます。2022年6月末時点で、25年以上加入した人の厚生年金、国民年金を合わせた受給月額の平均は「14万9700円」となっており、これを年額に換算すると「179万6400円」となります。
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年金にも税金がかかる! 手取りはいくらくらいになる?
公的年金を受給すると、雑所得として「所得税」と「住民税」がかかります。課税の対象となる「所得額」を計算するときは、1年間に受給した年金の合計額から「公的年金等控除」を差し引きます。
65歳以上の人で、年金の年間受給額が330万円未満、公的年金以外の年間所得の合計が1000万円以下の場合、公的年金等控除は110万円です。さらに基礎控除として48万円を差し引いて、その残額が課税対象となる所得です。所得税は累進課税方式ですので、所得が多いほど税率が上がります。
住民税の場合も、1年間に受給した年金の合計から公的年金等控除と基礎控除を差し引いて課税対象所得を計算します。ですが住民税の基礎控除は、所得税の基礎控除より低い43万円となっているので注意が必要です。2022年度現在、住民税の均等割が5000円、所得割が課税対象所得の10%となっています。なお、遺族年金や障害年金については、所得税、住民税ともに非課税です。
税金を引かれた年金の手取り額は?
国民年金だけ受給している人の場合、65歳以上で公的年金以外の収入がなければ課税所得額は0円となり、所得税、住民税ともかかりませんので「62万4156円」が手取り額となります。
一方、厚生年金と国民年金の両方を受給している人の場合、1年間の年金受給総額179万6400円から、公的年金等控除の110万円、基礎控除48万円を差し引いた「21万6400円」が所得税の課税対象になります。この場合の所得税率は5%ですので、所得税額は1万820円です。
住民税の計算では基礎控除が43万円になりますので、住民税の課税対象は「26万6400円」、税額は均等割が5000円、所得割が2万6640円です。結果、差し引かれる税金の合計は「4万2460円」で、厚生年金と国民年金の両方を受給している人の平均手取り額は、年間で「175万3940円」だと考えられます。
配偶者がいたり、医療費など他にも所得から控除できるものがあったりすれば、税金はもっと安くなり、1年間の年金受給額が158万円を超えていても、場合によっては所得税が非課税になります。住民税については、非課税になる年金受給額は自治体によって異なりますので、住んでいる自治体に確認しましょう。
年金にかかる税金は「公的年金等控除」で普通の所得より低く抑えられる
老後の生活資金である年金には、「公的年金等控除」があり、受け取った年金にかかる税金を低く抑えることができます。この公的年金等控除は、iDeCoや企業年金から受給した年金からも差し引くことができます。国民年金や厚生年金だけではなく、さまざまな公的年金にお金を拠出して年金として受け取ることで、納税額を抑えることができます。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
e-Stat 厚生年金保険・国民年金事業統計4制度別受給者平均年金月額(2022年6月)
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 地方税制度個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部