更新日: 2023.01.22 その他年金
将来は「ねんきん定期便」の金額がそのまま支給されるんですか? 「年金見込額」について教えてください
ねんきん定期便には「年金見込額」も記載されていますが、65歳以上になると、記載通りの年金見込額を受けることができるのでしょうか。
そこで、本記事では年金見込額の意味を説明。あわせて、年金額の計算方法についても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「年金見込額」とは?
50歳以上の人に届くねんきん定期便には、被保険者の年金情報として60歳でもらえる年金見込額が記載されています。
ただし、この年金見込額は、現在加入している年金制度に同じ条件で60歳まで加入し続けた場合にもらえる額です。もしかしたら、会社を退職して厚生年金から国民年金に変わってしまうかもしれません。また、会社の業績悪化で標準報酬月額や賞与が減ってしまい、それに伴い支払う保険料が減ってしまうかもしれません。
こうなると、年金見込額も変わってしまいます。さらに、将来、国の年金制度が改正される可能性もないとは言い切れません。ねんきん定期便に記されている年金見込額は、あくまでも目安の額であると考えたほうがいいでしょう。
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年金額の計算方法とは?
国民年金に加入している場合は「老齢基礎年金」、厚生年金に加入している場合は「老齢基礎年金」にプラスして「老齢厚生年金」が支給されます。
どのぐらい支給されるのかは次の計算式で出すことができます。 老齢基礎年金の額を求める計算式は「77万7800円×保険料納付月数÷480ヶ月」です。老齢厚生年金の額を求める計算式は「報酬比例部分+加給年金」です。「報酬比例部分」は「年金に加入していた期間中の標準報酬月額・賞与」「加入していた期間」、「加給年金」は「配偶者の年齢」「子どもの人数や年齢」で決まります。
年金は原則として65歳からもらうことができます。しかし、「繰上げ受給」または「繰下げ受給」を選ぶことも可能です。
繰上げ受給とは、60~64歳までの間に年金を受け取ることで、早めに受け取る分支給額が減ります。一方、繰下げ受給とは、66~75歳までの間に年金を受け取ることで、遅れて受け取る分支給額が増えます。そのため、どちらを選ぶかによって、支給される年金額も変わるのです。
繰上げ受給の減額率は「0.4%(昭和37年4月1日以前生まれの人は0.5%)×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」の計算式で求めます。最大で24%の減額です。なお、昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%(最大30%)です。
繰下げ受給の増額率は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」の計算式で求めます。最大で84%の増額です。繰上げ受給または繰下げ受給は一度、受給をスタートすると途中で変更することはできません。よく考えて選択するようにしましょう。
年金見込額はあくまでも目安の額
ねんきん定期便に記載されている年金見込額がそのまま支給されることはありません。というのも、年金見込額は現在加入している年金制度に同じ条件で60歳まで加入し続けた場合にもらえる額だからです。
また、繰上げ受給または繰下げ受給のどちらを選ぶかによって、年金額が変わってきます。
年金見込額は目安でしかありませんが、それでも老後の生活を考えるうえで役立てることができるでしょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部