更新日: 2023.02.16 国民年金

国民年金保険料を払い忘れた! いつまでなら支払える?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

国民年金保険料を払い忘れた! いつまでなら支払える?
国民年金保険料を毎月金融機関やコンビニエンスストアで支払っていると、ほかの用事に紛れたり納付期限を勘違いしたりして、払い忘れることもあるでしょう。このようなときは、原則として納付期限から2年以内であれば支払いを受け付けてもらえます。
 
本記事では、払い忘れの国民年金保険料が払えなくなる「時効」について解説するとともに、後から支払える期間が延びる方法や、払い忘れが防げる制度を紹介します。参考にして、国民年金保険料の払い忘れに慌てず対処しましょう。
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払い忘れの国民年金保険料が支払えるのは納期限から2年以内

国民年金保険料を払い忘れてそのまま放置すると、納付期限から2年が経過した時点で時効となり支払いができなくなります。
 
例:2022年12月分(納付期限2023年1月31日)⇒2025年1月31日を過ぎた時点で時効
 
支払い忘れの有無や納付期限からの経過期間がはっきりしない場合は、ねんきんネットやねんきん定期便などで自分の年金記録を確認しましょう。また、払い忘れに気づいたけれど納付書を紛失してしまった、という場合は、住所地を管轄する年金事務所に連絡すると再発行してもらえます。
 
なお、国民年金保険料を払い忘れたままにしていると、保険料を滞納しているとして、日本年金機構から納付督励状、特別催告状、最終催告状が届きます。その後差し押さえの予告が届き、最終的に財産を差し押さえられます。そのため、督促状が届いてから2年の間に、督促状の内容に従って国民年金保険料を納めなければなりません。
 

保険料免除・納付猶予を受けた期間の国民年金保険料は10年以内なら追納できる

国民年金保険料の免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度の承認を受けている場合は2年の時効が適用されず、未納の保険料を10年前までさかのぼって納付(追納)できます。

【免除制度】
国民年金保険料の支払いが経済的に困難な場合に、支払いの全額または一部免除を受けられる制度です。制度が適用された期間は年金の受給資格期間・年金額の計算に反映されます。
 
【納付猶予制度】
国民年金保険料の支払いが経済的に困難な場合に、納付の猶予を受けられる制度です。制度が適用された期間は年金の受給資格期間に反映されます。
 
【学生納付特例制度】
前年所得が一定以下の学生を対象に、国民年金保険料の支払いが猶予される制度です。制度が適用された期間は年金の受給資格期間に反映されます。

いずれの制度も、市区町村役場の窓口や年金事務所などに制度適用の申請をする必要があります。
 
納付期限から2年経過前の国民年金保険料については、さかのぼっての申請が可能です。払い忘れに気づいた時点で時効までに支払うことが難しい場合は、適用要件に当てはまるか確認してみましょう。
 
また、追納を希望する際には、年金事務所に申し込んで承認を受け、納付書を発行してもらう必要があります。なお、追納できるのは承認された月以前10年以内の免除・納付猶予期間の国民年金保険料ですが、免除・納付猶予を受けてから3年度目以降は、経過期間に応じた加算額を支払う必要があります。
 

国民年金保険料の払い忘れを防ぐには口座振替が便利でお得

国民年金保険料の支払い方法を口座振替にしておくと、払い忘れの防止になります。また、振替方法に応じて一定額の割引を受けられる「国民年金前納割引制度」があり、毎回現金で支払うよりもお得です。
 
国民年金保険料の口座振替の方法は5種類あります。振替方法と割引額(※令和5年度)は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

振替方法 1回あたり納付額 割引額
2年前納(4月~翌々年3月分) 38万5900円 1万6100円
(1月あたり約671円)
1年前納(4月~翌年3月分) 19万4090円 4150円
(1月あたり約346円)
6ヶ月前納(4月~9月分、10月~翌年3月分) 9万7990円 1130円
(1月あたり約188円)
当月末振替(早割) 1万6470円 50円
翌月末振替 1万6520円 なし

 
口座振替を希望する場合は、預貯金口座がある金融機関または年金事務所に、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書」を提出しましょう。
 

国民年金保険料の納付は2年で時効だが「滞納」とならないようにしよう

国民年金保険料は納付期限から2年過ぎると時効となり、納付できなくなります。払い忘れに気づいた場合は、2年以内に支払いましょう。払い忘れたままにしていると、保険料を滞納しているとして、国民年金機構から納付督励状、特別催告状、最終催告状、督促状が届き、最終的には財産が差し押さえられます。保険料の払い忘れにはくれぐれも注意しましょう。
 
ただし、免除制度、納付猶予制度、学生納付特例制度の承認を受けた国民年金保険料は、10年前までさかのぼって追納できます。納付期限から2年以内のものであれば、後からさかのぼって承認を受けることも可能です。
 
国民年金保険料の払い忘れを防ぐには、口座振替での納付が便利です。口座振替でまとめて前払いをすると割引も受けられるため、支払いをうっかり忘れがちの人は、支払い方法の変更を検討するのもよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 納め忘れがあったので納めたいが納付書が見あたりません。どうすればいいですか。
日本年金機構 保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。
e-Gov法令検索 国民年金法
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金前納割引制度(口座振替 前納)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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