更新日: 2023.02.27 国民年金

「貯金12万」で無職、年金を支払っていないのですが、「差し押さえ」って本当にあるんですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「貯金12万」で無職、年金を支払っていないのですが、「差し押さえ」って本当にあるんですか?
20歳から59歳までの日本国民なら必ず支払わなければならない国民年金保険料。国民年金保険料を長く支払わずにいると、財産を差し押さえられる可能性があります。しかし、失業中などで貯金が少ない人の中には、毎月の国民年金保険料を支払うのが大変な人もいるでしょう。
 
本記事では、失業中で貯金が12万円という人でも、国民年金保険料を滞納していると差し押さえの対象となるのかどうかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金保険料を滞納しているとどうなる?

国民年金保険料を滞納していると日本年金機構から国民年金保険料を支払うことを求めた「催告状」が届きます。それを無視していると、やがて「特別催告状」「最終催告状」が届きます。「最終催告状」を無視していると「督促状」が滞納している本人だけでなく、その家族にも届きます。
 
また、戸別訪問や電話などを通じて、国民年金保険料を納めるか、免除・猶予の申請をするよう言われます。その「督促状」を無視しているとやがて「差押予告通知」が届きます。そして、予告なく預貯金や不動産・自動車などの財産を差し押さえられることになります。
 
2018年度は国民年金保険料の未納期間が7ヶ月以上で、税金などの控除後の所得が300万円以上の人を対象に差し押さえが執行されました。
 
なお、2014年は未納期間が13ヶ月以上で、控除後の所得が400万円以上の人を対象に財産調査や差し押さえが執行されていましたが、2017年度(2017年12月~2018年1月)は未納期間が13ヶ月以上で、控除後の所得が300万円以上の人というように、対象者は拡大しています。また、控除後の所得が1000万円以上の人に関しては、さらに差し押さえが強化されています。
 
滞納者本人が仕事がなく、預貯金などの財産が少ない場合、差し押さえにならないと考える人もいるかもしれません。しかし、世帯主や配偶者には連帯納付義務があるため、世帯主や配偶者に一定の年収があれば世帯主や配偶者の財産が差し押さえられるかもしれません。
 
また、差し押さえの対象となるのは、預貯金だけでなく自宅を含む不動産、自動車、生活必需品以外の財産、給料の一部なども含みます。滞納者本人が失業中で預貯金が12万円しかなかったとしても、世帯主や配偶者が仕事をしていて財産を持っていれば、差し押さえられる可能性が出てくるのです。
 
なお、国民年金保険料を滞納していると、仮に差し押さえの対象とならなくても、高齢になったときに年金を受給できなくなる可能性があります。また、病気やけがが原因で大きな障害を負ったときの障害年金や、家族が遺族年金をもらえなくなることもあります。差し押さえの対象とならなくても、大きなリスクを負うことを理解しなければなりません。
 

国民年金保険料を支払えないときはどうすればいい

家族と一緒に生活をしているけれども、何らかの事情で国民年金保険料を支払えない人もいるでしょう。その場合は、年金事務所や住んでいる自治体の年金相談窓口で免除や猶予の相談をしてみましょう。
 
本人・世帯主・配偶者の前年の所得が一定額以下の場合や失業した場合は、国民年金保険料の一部または全部が免除される可能性があります。また、免除だけでなく納付猶予の申請も行えます。また、生活が苦しく生活保護を受ける場合には、国民年金が自動的に免除となります。こちらに関しては、住んでいる自治体の福祉事務所などに相談してみてください。
 

家族の財産が差し押さえられる可能性もある

本人が失業中で預貯金などがない状態で国民年金保険料を滞納していると、世帯主や配偶者に国民年金保険料を納める義務が発生します。そして、家族の財産が差し押さえられる可能性が出てきます。
 
家族がなく、差し押さえられる財産がなかったとしても、老齢年金や障害年金がもらえなくなる可能性も出てきます。国民年金保険料を支払えないときには、必ず住んでいる自治体の年金事務所や年金相談窓口に免除・猶予の申請をしましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 「国民年金保険料の強制徴収の取組強化」について
日本年金機構 「国民年金保険料強制徴収集中取組期間」の結果について
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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