更新日: 2023.04.03 その他年金

夫婦2人で年金「月30万円」の受け取りは難しすぎる!? 現役時代の年収はどのくらい必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

夫婦2人で年金「月30万円」の受け取りは難しすぎる!? 現役時代の年収はどのくらい必要?
老後の生活の主な収入源となるのが年金です。それでは、夫婦で老後をすごす場合を考えると、年金はどのくらい必要なのでしょうか? また、夫婦で年金30万円を受け取ることはできるのかも気になるところです。
 
本記事では、老後に夫婦で暮らす場合に必要な生活費について紹介するとともに、月に30万円の年金を受け取ることはできるのかについて解説します。
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老後に必要な収入は約22万円以上

総務省の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」では、夫婦のみ世帯の平均的な消費支出について公表しています。65歳以上の夫婦のみの世帯では、消費支出は22万4436円です。もしも同程度の支出である場合、約22万円の収入がなければ貯蓄などを切り崩したり、働いたりする必要があります。
 
2023年の標準的な年金額は、夫婦2人分で22万4482円です。平均的な消費支出と比べると、ほぼ同じであることが分かります。標準的な年金額でも生活は可能ですが、ゆとりのある老後を送ることは難しいといえそうです。
 

月に30万円の年金を夫婦で受け取るためには

平均的な消費支出を考えると、夫婦で月に30万円の年金があれば、ゆとりのある老後生活に近づきます。それでは、実際にどのくらいの収入があればよいのでしょうか?
 
基本的に20歳から60歳までの間は、国民年金保険に加入し、国民年金保険料を支払わなければいけません。保険料を支払うことで、将来的に老齢基礎年金を受け取れます。老齢基礎年金の満額は77万7800円です(令和4年度)。月額は約6万5000円となります。夫婦2人であれば、約13万円です。
 
つまり、夫婦で月に30万円を受け取るためには、残りの約17万円を老齢基礎年金以外で受け取ることができるようにする必要があります。
 

老齢厚生年金を17万円受け取るには?

会社員などで厚生年金保険料を支払っている場合は、老齢厚生年金を受け取ることが可能です。老齢厚生年金を2人で17万円分受け取ることができれば、月に30万円の年金額になります。老齢厚生年金は報酬比例部分、経過的加算、加給年金の合計額となっています。
 
ここでは便宜上、報酬比例部分の金額のみとして算出します。報酬比例部分は、2003年4月以降の加入期間については、平均標準報酬額×5.481/1000×厚生年金の加入期間の計算式で算出することが可能です。2003年4月以前については計算式が異なりますが、簡潔に2003年4月以降の計算式で計算します。
 
平均標準報酬額×5.481/1000×456ヶ月(22歳から60歳まで会社員だった場合)が204万円(17万円の1年間分)になればよいので、計算すると約82万円です。つまり、夫婦で会社員時代の月収が約82万円あれば、厚生年金を17万円受け取ることができます。年収に直すと、約984万円です。
 

夫婦で月に30万円の年金を受け取るのは難しい

本記事では、老後に夫婦で暮らす場合に必要な生活費について紹介すると共に、月に30万円の年金を受け取ることは可能なのかについて解説しました。標準的な夫婦の年金額から考えると、年金のみで生活するのは難しいです。そのため、現役時代に共働きをする必要があります。
 
さらに、夫婦の年収の合計が約984万円必要なだけでなく、22歳で就職した場合、60歳までの期間の平均がこの金額でなければいけません。共働きでよほどの収入がないと、現実的には難しいといえそうです。
 
そこで、年金を増やす方法としては、年金の繰下げ受給やiDeCoへの加入なども良いでしょう。年金額を増やすために、これらの手段も使うことも検討しましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 家計の概要
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
全国健康保険協会 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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