更新日: 2023.04.10 その他年金
年金「月15万円」では足りないけど、働くと「年金を減らされる」って本当? いくらまでなら稼いで大丈夫?
そこで本記事では、年金の減額を避けながら働くことは可能なのか、いくらならセーフなのか解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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月15万円では足りないことが多い
まずは老後どれだけ支出が発生するのか見てみましょう。
総務省統計局の家計調査年報(家計収支編)によると、2021年(令和3年)の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額22万4436円、65歳以上の単身無職世帯は月額13万2476円でした。
平均的な生活費としてこのくらいかかるので、実際にはもっと必要になることが多いです。というのも旅行をしたり、古くなった車や家電製品を買い替えたり、冠婚葬祭に参加したりすることもあるからです。それだけでなく親の介護や子どもへの援助、孫の世話など、想定外の出費が重なる可能性もあります。
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年金を受け取りながら働ける
収入を増やす手段として最も手っ取り早いのは「定年後もできれば勤務先で再雇用されて働くこと」です。同じような仕事を続ける場合はゼロから覚える必要はなく、環境も大きく変わらないことが多いので本人や周りの負担も減ります。
ただし再雇用が厳しい場合も考えられます。その場合も別の企業に転職したり、正社員が難しい場合もパートやアルバイトとして働いたりすることで要件を満たせば厚生年金に加入することができます。厚生年金は原則70歳まで加入できるので、60歳で定年を迎えてその後働き続けると10年間延長することができます。
加入している間は保険料を納付するので、その分将来の年金額を増やせるメリットがあります。働いて給料をもらいつつ、同時に将来もらう年金も増やせるのは大きいですね。
稼ぎ過ぎたら年金減らされる? 減額を避けるには?
給与所得等の収入がある場合も老齢年金は受け取れますが、収入金額の合計が一定のラインを超えると年金の支給が停止されることがあります。
在職老齢年金制度といい、給料等にあたる総報酬月額相当額と年金の基本月額の合計が47万円を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります。総報酬月額相当額には基本給だけでなく、1ヶ月あたりに換算したボーナスも含まれますので、その点注意が必要です。
あくまで影響を受けるのは老齢厚生年金の部分で、老齢基礎年金は収入の規模に関わらず全額支給されます。
例えば次の条件で給料が月30万円と40万円の場合で考えてみましょう。
・老齢基礎年金:6万5000円
・老齢厚生年金:8万5000円
・ボーナス込みの月額給料:(A)30万円/(B)40万円
(A)月30万円の場合、年金と合わせると45万円です。この場合は47万円を超えないので年金の支給停止対象にはなりません。
(B)月40万円の場合は、年金と合わせると55万円の収入になります。47万円を超えているので、老齢厚生年金の支給停止対象となります。
具体的に支給停止される金額は「(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2」で計算されます。今回の場合は「(55万円-47万円)÷2=4万円」の支給停止となります。
以前は60歳から65歳までの場合、月28万円を超えると年金の支給停止対象になっていました。しかし、勤労意欲を低下させる等の理由で見直され、2022年(令和4年)からは基準額が47万円に上がりました。
そのため、年金を減らされたくない場合は、年金と給料をあわせて月47万円以内に抑える必要があります。
まとめ
今回は毎月年金を受け取りながら働きたいけど、年金を減らされるのは避けたい場合はどうすればいいのか解説しました。
在職老齢年金制度によって、働いて稼ぎ過ぎると年金を減らされることがあります。ただ、法改正によって年金と合計で47万円を超えなければ対象外となりました。これからは年金のみに頼れない時代なので、現役時代より収入が下がったとしても、できる限り長く働く形が主流になるかもしれません。
出典
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部