更新日: 2023.04.26 その他年金
50代では年金を満額もらえない人もいる? その理由とは?
今回は、なぜ50代は満額でもらえない可能性があるのか、理由とそれについての対策を紹介します。ご自身が当てはまるかどうかを確認し、備えましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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50代は年金を満額でもらえない? 理由を徹底解説
最初に、年金を満額でもらうための条件をチェックしてみましょう。
年金は2階建て構造で、20歳から60歳まで全員が加入するのが1階部分の国民年金です。65歳から老齢基礎年金として支給されます。
満額もらうためには、20歳から60歳になるまでの40年間、全て保険料を納める必要があります。
52歳以上は満額もらえない可能性がある
現時点で52歳、1971年3月よりも前に生まれた方は、年金を満額もらえない可能性があります。
20歳以上の学生の国民年金の加入が義務付けられたのは、1991年4月のことだからです。加入していない期間に発生した、病気やけがで障害の状態になったとき、障害年金が給付されないことから、学生も強制加入されることになりました。それまでの1991年3月までは、20歳以上の学生は、任意で国民年金に加入することになっていました。
1971年3月よりも前に生まれ、社会人になってから国民年金に加入した方は、新卒の22歳から60歳までの38年間しか納めていないことになり、満額になる条件の40年に2年、足りないことになります。未納の期間がないか、ねんきんネットや年金事務所で確認してみましょう。
学生時代の未納でどれくらい減額される?具体的な計算方法
先ほど挙げた、1971年3月より前に生まれた方で、20歳から22歳まで学生時代の2年間、国民年金に未加入だった場合、満額よりいくら少ないのかは、次の図表1で分かります。
【図表1】
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額を基に作成
約4万円少なくなるのが分かります。
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未納があっても年金額を増やすための方法
国民年金に加入できるのは60歳未満までです。そして、追納できるのも承認された月の10年以内の免除および納付猶予期間と決まっています。
「未納があっても年金額を増やすにはどうしたらいいの?」という方に、年金額を増やす方法を3つ、紹介します。
(1)厚生年金を継続する
1つ目が、60歳以降も厚生年金を継続することです。厚生年金保険に加入している会社や工場などの適用事業所で勤める場合、70歳未満であれば厚生年金保険に加入できます。
もし、60歳以上になって退職し、同じ事業所に継続して再雇用された場合には、再雇用後の報酬で標準報酬月額を決定します。標準報酬月額に応じて在職老齢年金の額も見直されます。
老齢厚生年金は、60歳以降も会社員として働いた場合、報酬比例部分は増えますが、老齢基礎年金の部分は増えません。増えない老齢基礎年金の穴埋めをするために、経過的加算というのが設けられています。
例えば、20歳から2年間未加入だった場合、22歳から60歳まで38年間しか保険料を納めていないことになります。60歳以降も2年働くことで、老齢基礎年金に相当する年金が加算されます。
老齢厚生年金は、報酬や賞与の額に応じて年金額が決められるため、報酬比例部分といわれています。報酬比例部分は、ほかの年金と異なり上限がないため、働けば働くほど年金としてもらえる金額が増えることになります。
(2)国民年金に任意加入をする
2つ目は、国民年金に任意加入することです。60歳以上65歳未満の5年間(納付月数480月まで)、国民年金保険料を納めることで、65歳から受け取る老齢基礎年金を増やせます。
学生時代に未納の期間があり、60歳以降働く予定がない、もしくは厚生年金保険に加入する形で働く予定がない方にとって1つの方法となります。
国民年金に加入することで、老齢基礎年金を増やせるだけでなく、万一の場合の備えにもなります。一定の要件を満たせば、加入期間中に事故や病気で障害が残ったときに、障害年金が支給されます。もしも、一家の働き手がなくなったときには、遺族が遺族基礎年金を受け取れます。
(3)付加年金で年金を増やす
3つ目の方法は、付加年金を払うことです。
国民年金第1号被保険者の方や任意加入している方ができる方法です。定額の保険料に月額400円上乗せして納めることで、200円×付加年金を納めた月数が付加年金額として受け取れます。2年以上受け取ると、納めた付加保険料以上の金額を受け取れることになります。任意加入する場合には、付加年金も一緒に納めるのがいいでしょう。
まとめ
50代で年金を満額もらえない理由と対策をみてきました。任意加入と付加年金では支払える期間が決まっており、もらえる金額にも限界があります。一番増やせる方法は、60歳以降も厚生年金保険に加入する形で働き続けることです。
まず、ねんきん定期便やねんきんネットで未納期間がないか確認してみましょう。どれくらい納めたら満額に近づけるのかを知ることが、老後に対する不安を軽減してくれるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー