更新日: 2023.05.14 厚生年金
「4~6月」に働き過ぎると、9月以降の手取りが「減る」!? 理由を分かりやすく解説!
本記事では、厚生年金保険料の決まり方について解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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毎月支払う厚生年金保険料は4~6月の給与を基準としている
毎月支払う厚生年金保険料を算出する計算式は次のとおりです。
毎月の保険料額=標準報酬月額×保険料率
保険料率は18.3%ですが、その内半分は企業が負担しますので、個人としては標準報酬月額の9.15%が負担額です。
そして、この「標準報酬月額」は毎年4~6月の給料の平均金額を基準としています。具体的には、4~6月の給料の平均金額を1~32等級の区分に当てはめ、標準報酬月額としています。
4~6月の給料によって定められた標準報酬月額を基に、その年の9月~翌年8月までの保険料額が決まるという仕組みです。
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どれくらい給料が増えれば標準報酬月額に影響するのか
それでは具体的にどれくらい給料が増えれば、標準報酬月額の区分が上がり、9月以降の保険料額に影響するのかを見ていきましょう。
標準報酬月額は1~32の32等級ありますが、今回は真ん中前後の10~25等級について見ていきます。10~25等級における、4~6月の平均給料と標準報酬月額、個人が負担する厚生年金保険料は図表1のとおりです。
図表1
4~6月の平均給料 | 標準報酬月額 | 保険料 | |
---|---|---|---|
以上 未満 | 等級 | 金額 | (9.15%) |
15万5000円~16万5000円 | 10 | 16万円 | 1万4640円 |
16万5000円~17万5000円 | 11 | 17万円 | 1万5555円 |
17万5000円~18万5000円 | 12 | 18万円 | 1万6470円 |
18万5000円~19万5000円 | 13 | 19万円 | 1万7385円 |
19万5000円~21万円 | 14 | 20万円 | 1万8300円 |
21万円~23万円 | 15 | 22万円 | 2万130円 |
23万円~25万円 | 16 | 24万円 | 2万1960円 |
25万円~27万円 | 17 | 26万円 | 2万3790円 |
27万円~29万円 | 18 | 28万円 | 2万5620円 |
29万円~31万円 | 19 | 30万円 | 2万7450円 |
31万円~33万円 | 20 | 32万円 | 2万9280円 |
33万円~35万円 | 21 | 34万円 | 3万1110円 |
35万円~37万円 | 22 | 36万円 | 3万2940円 |
37万円~39万5000円 | 23 | 38万円 | 3万4770円 |
39万5000円~42万5000円 | 24 | 41万円 | 3万7515円 |
42万5000円~45万5000円 | 25 | 44万円 | 4万260円 |
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)を基に作成
例えば、4~6月の平均給与が23万1000円の場合、16等級となり、保険料額は月額で2万1960円です。そして、所定の等級内の給与であれば、増減しても支払う保険料額は変わりません。16等級であれば、23万円以上25万円未満ですので、平均給与が23万1000円でも、24万5000円でも、標準報酬月額や保険料額は同じです。
一方、1円でも範囲を超えれば等級は上がります。例えば、平均給与が前年4~6月は23万1000円の場合、今年の8月までの保険料は16等級の2万1960円です。しかし、今年4~6月の平均給与が25万1000円であれば今年9月以降の保険料は17等級の2万3790円、30万円であれば19等級の2万7450円です。
支払う保険料が増えることは必ずしもマイナスではない
支払う保険料が増えれば、その分将来受け取れる年金額も増加します。そのため、一概に「4~6月は残業などをして給料を増やさない方がよい」とは言えません。
とはいえ、4~6月に働き過ぎると、9月以降の手取りが減る場合があるということは覚えておきましょう。
出典
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー