更新日: 2023.06.19 その他年金

55歳です。給与は上がりそうになく老後が心配。年金額を増やす方法はありますか?

55歳です。給与は上がりそうになく老後が心配。年金額を増やす方法はありますか?
老後の生活を支えてくれる年金。「生活に困ることのない年金額をもらいたい」と思う人は多いのではないでしょうか。しかし、中には受給できる年金額が少なく、不安な人もいるでしょう。
 
そこで、「給与は上がりそうになく老後が心配な55歳の人」を例に挙げて、年金額を増やすためにはどうすればよいのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の繰下げ受給の概要とは?

年金は原則として、65歳から受け取ることが可能です。しかし、65歳ではなく、66歳以後75歳までに受け取れば、年金額が増額されます。これを「繰下げ受給」といいます。
 
増額率は、繰り下げた期間が長ければ長いほど、大きくなるのが特徴です。増額率は
 
0.7%×65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数

の計算式によって求められます。増額率は最大で84%です。一度、年金を受け取ったら、その時点で増額率は一生涯続きます。こうした場合、すべての老齢厚生年金に対して、繰下げ請求をする必要があります。ちなみに、75歳に達した月以降、年金を受け取らなかったとしても、年金額が増えることはありません。
 
年齢については「年齢計算に関する法律」によって計算されるため、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になります。例えば、4月1日生まれの人の場合は3月31日です。65歳に達した月は4月ではなく3月になるため、要注意です。
 
中には、日本年金機構と共済組合などから、複数の老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取ることができる人もいるでしょう。こうした場合、すべての老齢厚生年金に対して、繰下げ請求をする必要があります。
 

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年金の繰下げ受給の注意点とは?

いくら繰下げ受給をしたくても、65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの間に「障害給付」や「遺族給付」の権利がある場合は行うことはできません。また、「遺族年金」など、他の公的年金を受給した場合も同様に繰下げ受給ができなくなります。
 

iDeCoとは?

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を上手に活用することで、老後の年金を増やすこともできます。iDeCoとは私的年金制度で、加入は任意です(基本的に20歳以上65歳未満の全ての人が加入可能)。
 
掛け金は自分で設定して拠出します。そして、その掛け金を自分で運用して、資産を形成することになります。掛け金の拠出は、60歳、または国民年金の任意加入被保険者の場合は65歳になるまで可能で、60歳以降から受け取れます。
 
iDeCoのメリットは、税制上の優遇措置があることです。

まず、課税所得額から確定拠出年金の掛け金が差し引かれます。そのため、支払うべき所得税・住民税が軽減されます。次に、確定拠出年金制度内での運用益については、非課税で再投資が可能です。さらに、60歳以降に年金を受給する際には所得控除を受けることができます。
 

繰下げ受給で年金額を増やす!

「給与は上がりそうになく老後が心配な55歳の人」が、老後のために年金額を増やすためには、「繰下げ受給」といった方法があります。これは66歳以後75歳までに受け取れば、年金額が増額されるというものです。増額率は最大で84%です。
 
このほか、iDeCoで老後の生活に備えるといった方法もあります。老後のために検討してみてください。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第11 老齢年金の繰下げ受給と繰上げ受給

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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