更新日: 2023.07.04 その他年金

「お金がなくて」年金を60歳から繰上げ受給した人に共通する「後悔」とは?

「お金がなくて」年金を60歳から繰上げ受給した人に共通する「後悔」とは?
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として、65歳から受給を開始できます。しかし、受給者本人が希望すれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を同時に、60歳から65歳の間で繰上げ受給することが可能です。
 
繰上げ受給を選択すると、早く年金が受給できるというメリットがある一方で、デメリットもあります。本記事では、年金の繰上げ受給を選択すると、受給できる年金額がどのように変わるかについてと、繰上げ受給を選択した場合の注意点を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金の繰上げ受給とは何か

年金の繰上げ受給とは、受給者が希望すれば、年金の受給開始年齢を60~65歳の間で前倒しできる仕組みです。ただし、繰上げ受給を請求した時点に応じて、年金が減額されます。さらに、その減額率は、生涯にわたって変わりません。
 
減額される割合は、繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数×減額率になります。減額率は、昭和37年4月1日以前生まれの方は0.5%(最大30%)、昭和37年4月2日以降生まれの方は0.4%(最大24%)減額されますので、注意しましょう。また、一度老齢年金を繰上げ請求すると、取り消しはできません。
 
なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の受給資格がある方は、原則として、両方一緒に繰上げ請求する必要があります。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

年金を繰上げ受給している方が後悔しがちなこと

高齢になると、若い頃と同様に働くことが難しい方も増えてきます。職種によっては、肉体を酷使するために、60歳前半でも、続けられない仕事もあるでしょう。そのような場合、年金の繰上げ受給制度は、とても役に立ちます。
 
その一方で、安易に年金の繰上げ受給を選択して、あとで悔やむ方もいます。ここでは、年金を実際に繰上げ受給した方が、後悔しがちなことをご紹介しますので、選択する際の参考にしてください。
 

国民年金の任意加入被保険者になれない

国民年金は、原則として、60歳未満の方しか加入できません。しかし、国民年金保険の加入期間が40年に満たない場合、60~65歳まで、任意加入ができます。任意加入をして、年金を支払えば、将来受け取る年金を増やせるというメリットがあります。
 
老齢基礎年金を繰上げ受給してしまうと、国民年金保険の任意加入被保険者にはなれません。そのうえ、60歳の時点で、年金加入の期間が40年に満たない場合は、年金の受給額も少なくなります。年金は一生涯受け取るものですので、年金額が少なければ、デメリットも大きいでしょう。
 

寡婦年金・障害年金を失効してしまう

寡婦年金や障害年金の受給資格がある方が、年金の繰上げ受給を行うと、どちらか一方を選択しなければならなくなるケースもあります。
 
寡婦年金・障害年金よりも、老齢基礎年金や老齢厚生年金のほうが少なかった場合は、最終的には損をするかもしれません。また、寡婦年金や障害年金は、支給年齢によって減額されることはありませんので、受給資格を得たまま、ほかの収入を得る算段をしたほうが、メリットが大きいケースもあります。
 

60歳を過ぎて働く場合、年金が減額される可能性がある

60歳を過ぎても働きたいが、給与が下がってしまうため、年金を繰上げ受給して、給与と合わせて生活費にしたいと、希望する方もいるかもしれません。しかし、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が、48万円を超える場合は、注意が必要です。60歳以降、仕事を続けながら受け取る老齢厚生年金である在職老齢年金は、減額や、支給を停止される可能性があります。
 
また、高年齢雇用継続基本給付金を受け取る予定がある場合も、繰上げ受給を選択すると、年金の給付額が減額される可能性があるでしょう。60歳を過ぎても働く場合は、受け取れる年金と給付金を合わせた金額がどれくらいになるのか、しっかり確認してから、繰上げ受給をするかどうかを選択してください。
 

年金の繰上げ受給はよく考えて決断しよう

60歳で定年がある会社でも、現在は、給付金や働きながらもらえる年金など、さまざまな制度を利用して、収入を確保できます。また、障害年金や寡婦年金の受給資格がある場合は、繰上げ年金を受給すると、支給が停止される可能性もあります。
 
老齢になって、定期的な収入手段が途絶えることはとても不安です。しかし、繰上げ受給を選択する前に、ほかに利用できる制度がないかを、よく確認しましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集