更新日: 2023.07.18 国民年金

年金機構から「差し押さえ」の手紙が届きます…口座がほぼゼロ円なので大丈夫でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金機構から「差し押さえ」の手紙が届きます…口座がほぼゼロ円なので大丈夫でしょうか?
国民年金保険料は決して安い金額ではなく、令和5年度は1ヶ月当たり1万6520円です。収入の減少などさまざまな理由があり、毎月の保険料の支払いが困難になる場合もあるかもしれません。
 
しかし、そういった際に支払いの相談をせずに放置していると、日本年金機構から差押えの手紙が届いてしまいます。その場合、貯金がなければ差押えされることはないのでしょうか。
 
本記事では、国民年金保険料未払いによる差押えについて解説します。

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国民年金保険料の未払い放置で差押え対象になる


国民年金保険料の納付期限は、納付する月の翌月末までです。そのため、納付期限以降になっても相談などをしていない場合、日本年金機構が依頼している委託会社から支払うようにという電話があったり、日本年金機構からハガキが届いたりします。それでも相談や支払いがなかった場合、差押え対象になるので注意しましょう。
 

・差押えされるまでの段階


国民年金保険料の未納があると、まず電話やハガキでの納付勧奨があります。それでも支払いがなければ、最終催告状の送付、督促状の送付と続き、最終的に財産が差押えされるという流れです。
 

・差押えの現状

日本年金機構が発表した令和4年9月末現在での差押え執行件数は866件となっています。差押え対象になるのは不動産や預金、売掛金債権などです。貯金がなかったとしても差押えした財産を売却し、その売上のなかから未納分を徴収するので「貯金がないから大丈夫」ということにはなりません。収入がある配偶者がいれば、配偶者から徴収します。
 

国民年金保険料の支払いが難しい場合は、免除や猶予の手続きができる


国民年金保険料の支払いが困難なときは、保険料を免除あるいは猶予してもらえるケースがあります。国民年金保険料の支払いが免除や猶予になる条件は以下の場合です。
 

・失業や退職などによって納付困難な場合

退職や失業して国民年金保険料の支払いが困難な場合は、前年度の所得をゼロとする「特例免除」が適用されるケースがあります。免除になる期間は失業あるいは退職した前月から翌々年の6月までです。
 

・働いているものの、収入が一定額より少ない場合

働いていても収入自体が少なく、保険料の支払いが難しい場合は「全額免除」「一部免除」「納付猶予」が、学生の場合は「学生納付猶予特例」があります。所得などの条件があり、それぞれで金額が異なるので確認が必要です。一部免除は4分の3、半額、4分の1の3種類となっています。
 

・産前産後

出産予定日あるいは出産日の前月から4ヶ月間、保険料の支払いが免除になります。多胎妊娠の場合はこの期間より免除期間が長いです。また、免除期間も保険料を納付したものとして将来受給する年金額に反映されます。
 

国民年金保険料の支払いが未納になっているデメリット

国民年金保険料を未納のまま放置していると差押えになる以外のデメリットがあります。
 

・障害基礎年金や遺族基礎年金が受け取れない可能性がある

障害基礎年金を受給する際、初診日の前日から初診日がある月の2ヶ月前までで国民年金保険料の納付済期間がどの程度あるのかがチェックされます。この期間内に、保険料の支払い済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上必要です。遺族年金は保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合わせて25年以上なければ受給不可になってしまいます。
 

・将来受給できる年金額が少なくなる

国民年金を受給するためには、資格期間が10年以上(120ヶ月以上)必要です。保険料の免除、猶予期間は年金受給資格期間に含まれますが、猶予の場合は受給額には反映されないため、注意しましょう。
 

国民年金保険料の納付が困難なときは早い行動が重要

国民年金保険料の納付未払いは、3つの段階を経て差押えになります。結婚している場合は、配偶者から徴収するケースもあるので注意が必要です。また、貯金がなくても不動産や売掛金、売却可能な価値があるものがあれば差押えされてしまいます。収入が少ないなどの理由があって保険料の納付が困難なときは早期連絡・相談が重要です。まずは、年金事務所に足を運ぶか電話で相談してみましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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