更新日: 2023.07.31 iDeCo(確定拠出年金)

過去に国民年金保険料を免除されていました。その期間の保険料を追納しないと、iDeCoは始められませんか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

過去に国民年金保険料を免除されていました。その期間の保険料を追納しないと、iDeCoは始められませんか?
国民年金保険料の免除者がiDeCoの加入対象外と知り「過去に免除を受けていた期間があるけれど加入できるだろうか」と不安に思っている人は多いでしょう。
 
そこで本記事では、iDeCoに加入できる人・できない人の要件をまとめるとともに、国民年金保険料の過去の免除期間がiDeCoの加入資格に影響するかどうか、iDeCoの加入資格を喪失したときにどうなるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

iDeCoに加入できる人・できない人の条件

iDeCoの加入資格は、国民年金の被保険者区分によって分けられています。加入できる人・できない人の条件は、それぞれ図表1のとおりです。
 
【図表1】

加入区分 加入できる人 加入できない人
国民年金の第1号被保険者 20~60歳未満の自営業者と家族
・フリーランス・学生など
・農業者年金の被保険者
・国民年金保険料の免除を受けている人(障害基礎年金受給者などを除く)
国民年金の第2号被保険者 厚生年金の被保険者 ・勤務先で加入している企業型確定拠出
年金の事業主掛金が拠出限度額の範囲内の各月拠出ではない人
・企業型確定拠出年金でマッチング拠出を選択した人
国民年金の第3号被保険者 第2号被保険者に扶養されている
20~60歳未満の配偶者
国民年金の任意加入被保険者 国民年金に任意で加入した人

出典:iDeCo公式サイト iDeCoの仕組み
 

iDeCoに加入できないのは現在進行形で国民年金保険料を免除されている人

国民年金第1号被保険者のうち、国民年金保険料の一部または全部を免除されている人は、iDeCoの加入資格がありません。
 
iDeCoの加入手続きの際には、国民年金基金連合会が国民年金保険料の納付状況を照会し、加入資格の有無を判定します。手続き時点で保険料の免除期間の人や未納がある人は、iDeCoへの加入が認められません。
 
ただし、この用件が適用されるのは現在進行形で国民年金保険料の免除期間中の人です。過去に免除を受けていた期間があっても、現在は満額の保険料を納めている場合はiDeCoへの加入が可能です。
 

iDeCo加入中に再び国民年金保険料の免除を受けるとどうなる?

iDeCoに加入して掛け金の拠出を開始したあとに国民年金保険料の免除を申請し受理されると、その時点でiDeCoの加入資格が失われます。加入資格を失ったときには、「 加入者資格喪失届 」を金融機関に提出して、加入資格を失ったことを届け出なければなりません。
 
国民年金保険料の免除を受けたとき以外にも、次の場合には「加入者資格喪失届」の提出が必要です。


・住所地が日本国外になったとき
・国民年金の被保険者ではなくなったとき
・運用指図者になるとき
・農業者年金の被保険者になったとき
・国民年金の任意加入をやめたとき
・企業型確定拠出年金のマッチング拠出を選択したとき
・企業型確定拠出年金の事業主掛金額が年単位拠出になったとき
・iDeCoの老齢給付金を受給するとき
・公的老齢年金の受給権者になったとき(繰上げ受給を含む)

注意が必要なのは、加入者資格が失われてもiDeCoの中途解約は原則として認められない点です。加入資格が失われたあとも積み立てた掛け金は返還されず、掛け金の拠出をしない「運用指図者」として資産運用を継続することとなります。
 
ただし、国民年金保険料免除者は、以下のすべてに該当する場合に限り脱退が認められ、資産を脱退一時金として受け取り可能です。


・60歳未満
・企業型確定拠出年金に加入していない
・日本国籍の海外居住者(20~60歳未満)ではない
・掛金拠出期間が通算1ヶ月以上5年以下、もしくは個人別管理資産額が25万円以下
・障害給付金の受給権者ではない
・加入者資格喪失日から2年を経過していない

 

国民年金保険料の過去の免除履歴はiDeCoの加入資格に影響しない

iDeCoへの掛金拠出は、公的年金である国民年金保険料の納付がなされていることが前提です。国民年金保険料の免除者はiDeCoの加入者になる資格がありません。
 
ただし、判断の対象となるのは現在進行形で免除期間かどうかです。iDeCoの加入申込時には免除を受けておらず、毎月きちんと保険料を納めているのであれば、iDeCoへの加入が可能です。
 
iDeCoの加入中に国民年金保険料の免除を受けると加入資格が失われ、加入者から運用指図者になるため注意しましょう。
 

出典

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCo加入者・運用指図者の方へ
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 2022年の制度改正について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集