更新日: 2023.08.08 その他年金
遺族年金の支給額「年100万円くらい」って本当!? わが家はいくらになる?
本記事では、遺族年金がどのくらい受け取れるかについて、以下の家族構成を例に、解説します。ぜひ、参考にしてください。
【家族構成】
夫(死亡):40歳、会社員(厚生年金保険の被保険者)
妻:40歳、パートタイマー(被扶養者)
子:15歳、学生(被扶養者)
子:12歳、学生(被扶養者)
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
遺族基礎年金の年金額
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。本章では遺族基礎年金について解説します。遺族厚生年金については、後述します。遺族基礎年金の年金額(令和5年4月分から)は、以下のとおりです。
79万5000円 + 子の加算額
子の加算額は、1人目と2人目が各22万8700円、3人目以降が各7万6200円です。今回の例の場合、遺族基礎年金の年金額は、以下のように計算します。
79万5000円 + 22万8700円 + 22万8700円 = 125万2400円
ただし、遺族基礎年金を受け取ることができるのは、「子のある配偶者」または「子」です。
つまり、「子」がいなければ、遺族基礎年金を受け取ることができません。なお、この場合の「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方のことです。
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遺族厚生年金の年金額
遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の金額です。今回の例で夫が22歳以降、厚生年金保険に加入していたとすると、遺族厚生年金の年金額は、以下の計算式で計算できます。
( 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の加入月数 )× 3/4
なお、上記の「( 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の加入月数 )」が「老齢厚生年金の報酬比例部分」となります。
また、厚生年金保険の被保険者である間に死亡したときなど、一定の要件に基づく遺族厚生年金の場合、報酬比例部分の計算において、厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合は、300月とみなして計算します。
今回の例の場合、加入月数は多く見積もって216月(=18年×12ヶ月)です。しかし、夫が厚生年金保険の被保険者である間に死亡したため、加入月数は「300月」とみなして計算をします。
仮に、平均標準報酬額を「35万円」とすると、遺族厚生年金の年金額は、以下のように計算します。
( 35万円 × 5.481/1000 × 300月 )× 3/4 ≒ 43万1629円
子がいる場合は、遺族厚生年金と遺族基礎年金を併せて受け取ることができます。子がいない場合は、遺族基礎年金を受け取ることができません。
その代わり、「中高齢寡婦加算」を受け取れる可能性があります。中高齢寡婦加算を受け取るには、一定の要件を満たす必要がありますが、要件を満たすことで、年額59万6300円を受け取ることができます。
まとめ
本記事では、遺族年金がどのくらい受け取れるかについて、家族構成が夫(40歳、会社員)、妻(40歳、パートタイマー)、子2人(ともに18歳未満、学生)の家族を例に、解説しました。計算結果は以下のとおりです。
・遺族基礎年金の年金額:約125万円
・遺族厚生年金の年金額:約43万円
2つを合計した年金額は、約168万円となりました。遺族年金の年金額が「年100万円くらい」という場合、おそらく以下のような状況と思われます。
・加入している年金が国民年金のみ
・家族構成は夫(死亡)、妻、子(18歳未満)
この場合、受け取れる年金は遺族基礎年金のみであり、その年金額は102万3700円(=79万5000円+22万8700円)となります。また、以下のような状況も考えられます。
・加入している年金は厚生年金保険
・家族構成は夫(死亡)と妻(40歳以上65歳未満)のみ
この場合、受け取れる年金は遺族厚生年金・中高齢寡婦加算であり、今回の例を参考に計算すると、その年金額は約103万円(=約43万円+約60万円)となります。
遺族年金の年金額は、加入している年金や加入期間、家族構成などによって異なります。本記事を参考に、ご自身の場合はどうなのか、ぜひ試算してみてください。
出典
日本年金機構 「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
日本年金機構 「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
日本年金機構 「は行 報酬比例部分」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー