年金の繰下げ中に「認知症」に… 受給手続きはどうなるの?
年金が年8.4%増額され、75歳まで繰下げると、最大84%の増額率になります。しかし、繰下げ受給をし、増額できた一方で、その期間中に認知症になって受給手続きが難しい場合はどうなるのでしょうか?
今回は、この繰下げ受給の留意点を確認し、繰下げ中に「認知症」となった場合の手続きについて解説します。
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
繰下げ受給の留意点
1.繰下げ受給とは?
年金を65歳で受け取らずに受給する時期を遅らせることで、増額した年金を受け取ることができる制度です。ひと月繰下げるごとに0.7%を増額することができ、年間で8.4%、75歳までに10年間繰り下げると最大84%の増加率となり、受給額を大幅に増やすことができます。
なお、昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳までとなりますので、増額率は最大で42%です。
2.繰下げ受給の留意点
繰下げ受給を行うことで、年金の受給額を増やすことができる一方で、下記のように留意すべき点があります。繰下げ受給をしようとする場合には、下記留意点をよく検討してから行いましょう。
(1)繰下げをしている期間は、“年金の家族手当”といわれる加給年金を受給できません。加えて、加給年金の受給を配偶者が65歳になって打ち切られたあとも、一定の基準により年金額が加算される振替加算も受け取ることができません。
(2)繰下げにより増額された年金を受け取ってから万が一(受給権者の死亡)のことがあると、65歳から年金を受け取った場合と比較して、年金の受給総額が少なくなるケースがあります。
(3)年金が増額されると、年金から天引きされる社会保険料や税金が増えます。したがって、増額した分だけ手取りが増えるものではありません。
(4)繰下げの手続きを行ってしまうと、取り消しや修正ができず、1度決まった増額率によって年金を受け取り続けることになります。

