更新日: 2023.10.20 その他年金

年収430万円でも「月20万円」の年金を受け取ることができる? 年金の受け取り時期が受給額に与える影響を解説

年収430万円でも「月20万円」の年金を受け取ることができる? 年金の受け取り時期が受給額に与える影響を解説
働く人の収入が人によって異なるように、会社員が老後に受け取る年金の金額も人それぞれです。基本的には働いた期間と収入の大きさによって受け取る年金額は決まりますが、毎月受け取る年金額が同じでも、現役時代の収入は大きく違っている場合もあります。
 
本記事では、毎月20万円の年金を受け取っている人でも、受け取り始める時期によってどれくらい現役時代の収入が異なるのかについて解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金を受け取り始める時期は60~75歳で自由に決められる

年金は基本的には65歳から受け取り始めることが可能です。しかし、必ずしも65歳から受け取りを開始しなければならないという訳ではありません。希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることも、反対に66歳以後75歳までの間に繰り下げることも可能です。
 
受け取る時期を65歳よりも1ヶ月繰り上げる度に、毎月の年金額は65歳から受け取る金額よりも0.4%減額されます。そして、66歳以降に繰り下げると、65歳から受け取る金額よりも1ヶ月繰り下げるたびに0.7%増額されます。
 

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年金を毎月20万円受け取る場合の年収について

会社員の場合、受け取れる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類です。今回は20~60歳までの間、同じ会社で働き続けた場合について見ていきます。
 
受け取れる老齢基礎年金の金額は、収入に限らず保険料を負担した期間によって決まります。今回の場合、480月分の年金保険料を全て納め65歳で年金を受け取り始めると、満額の月額6万6250円が老齢基礎年金の金額です。
 
毎月20万円の年金を受け取っているとすると、老齢基礎年金の金額を引いた13万3750円が老齢厚生年金として受け取っている金額です。今回は老齢厚生年金の金額の大部分を占める報酬比例部分がこの金額として見ていきます。
 
報酬比例部分で毎月13万3750円受け取るには、現役時代に大体約62万円の月収が必要です。つまり、年収にすると700万円以上です。
 
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、年収700万円を超えている給与所得者は全体の15.7%に過ぎません。そのため、65歳で年金を受け取り始める場合、年金として20万円を受け取るのはなかなか難しいと言えるでしょう。
 
しかし、70歳からの受け取りではどうでしょうか? 老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方70歳まで受け取り時期を遅らせたとすると、受け取れる年金額は65歳から受け取り始めた場合よりも42%も増加します。そのため、老齢基礎年金は月額9万4075円に増えます。
 
そして、報酬比例部分で20万円と9万4075円の差である10万5925円を毎月受け取るために現役時代に必要な月収は、おおよそ36万円程度です。年収換算すると約430万円ですので、年収700万円と比べると約300万円も少なくなりました。
 

まとめ

年金で月額20万円を受け取ろうとすると、受給開始年齢が65歳では年収が700万円以上必要ですが、70歳からの場合は430万円程とだいぶ少なくてすみます。
 
ただ、年金は生涯受け取れるため、受け取り始める時期を遅らせたものの、あまり長生きできなければ、結果的に受け取れる年金の総額は少なくなる可能性があります。また、受け取り始めるまでの生活費の捻出も必要です。
 
とはいえ、受け取り始める時期を遅らせることで、毎月の年金額をかなり増やせることは年金戦略を考えるうえで重要です。貯蓄や老後の働き方などを考慮しつつ、受け取り始める時期を検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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