物価高騰で少しでも節約したい…… 年金保険料にもお得な支払い方法があるって本当ですか？

2023年は物価高騰で、生活が以前より苦しくなったと感じている方は多いでしょう。年金保険料をはじめとする固定費も、できるなら支払額を少しでも抑えたいものです。
 
本記事では、年金保険料をお得に支払う方法を紹介します。現在は支払いの選択肢も増えたので、自分に合った支払い方法を選びましょう。

口座振替でのお得な支払い方法

国民年金保険料は、毎月口座から引き落とされる支払い方法が基本です。しかし、現在は支払い方法が増え、毎月引き落とされるよりお得な方法もあります。まとまったお金があったり、利用できる支払い方法があったりする場合は変更を検討してみましょう。
 
本項では、日本年金機構推奨の国民年金保険料のお得な支払い方を紹介します。
 

前納制度

前納制度とは、6ヶ月、1年、2年分の保険料をまとめて納める制度です。口座振替での支払いでは最も割引率が高くなります。なお、平成29年度から現金やクレジットカードの支払いが可能になりました。
 
口座振替と現金、クレジットカード払いでは割引額が変わります。令和5年度に2年前納する場合、口座振替では割引額が1万6100円、クレジットカードや現金支払いの割引額は1万4830円です。
 
前納制度を利用する場合、「国民年金保険料口座振替納付（変更）申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」を毎年2月末までに、預貯金口座のある金融機関か年金事務所に提出します。年金事務所へ郵送も可能です。
 

口座振替での早割

通常、国民年金保険料の納付期限は翌月末です。それを、当月末に口座振替をすると早割で月50円、年600円、10年で6000円お得になります。割引率はそれほど高くありませんが、給与の振り込み時期などによっては前納のほうが都合がよいといった場合は利用してみましょう。ただし、早割は口座振替のみとなります。
 
こちらも利用するには「口座振替申出書」に必要な事項を記入・押印して、口座振替を行う口座のある金融機関か年金事務所に提出します。年金事務所へ郵送も可能です。
 

クレジットカードやスマホ決済を利用する方法

クレジットカードやスマホ決済を利用すると、ポイントがたまってお得な場合があります。特に、クレジットカードを利用すると2年前納もできるので、まとまったポイントが手に入る可能性もあります。
 
支払いに利用できるクレジットカードは、「VISA」「MasterCard」「ダイナースクラブ」「JCB」「アメリカン・エキスプレス（アメックス）」で国際ブランドのマークが付いたものになります。
 
口座振替からクレジットカード払いに変更する場合は、「国民年金保険料クレジットカード納付（変更）申出書」を年金事務所の窓口に提出するか郵送します。また、クレジットカードの番号が変更になった場合や、クレジットカードの有効期限を迎えた場合なども、申出書が必要です。クレジットカードで納付をする場合は、有効期限を確認しましょう。
 
なお、クレジットカードの引き落としができなかった場合は、納付書による支払いに自動的に切り替わります。引落口座には、できるだけ余裕をもってお金を入れておきましょう。
 
スマホ決済の場合は、2023年10月現在「auPAY」「ｄ払い」「PayB（PayBと提携している各金融機関が提供する決済アプリを含む）」「PayPay」「楽天ペイ」が使えます。スマホ決済も基本的にはポイントがつきますが、一部のサービスは年金の支払いでポイントが付かないので、確認しておきましょう。
 
スマホ決済の場合は納付書に付いているコードを読み込むだけで支払いができるようになります。ただしスマホ決済の場合、納付上限が一度に30万円までとされているため、2年前納では使えません。
 

年金保険料は自分に合ったお得な納付方法を選ぼう

まとまったお金を支払いに充てられるならば、年金保険料は2年前前納が最もお得です。年間8000円程度の節約ができれば、家計が楽になるでしょう。また、クレジットカードや電子決済を利用すれば、家計管理も簡単になる可能性があります。
 
しかし、2年前納制度などはまとまったお金が必要なので、無理をしないようにしましょう。例えば、収入に余裕があるときに2年前前納制度を利用するなど、臨機応変に対応してもよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の「2年前納」制度
日本年金機構 国民年金保険料の納付は口座振替での前納・早割が便利でお得です！
日本年金機構 クレジットカードでのお支払い
日本年金機構 スマートフォンアプリでのお支払い
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー