更新日: 2023.10.31 国民年金
人生で支払う「国民年金保険料」は総額でどのくらいですか? ちゃんと元が取れるのでしょうか?
本記事では20歳から60歳まで年金を支払い続けた場合、総額はどのくらいになるのか、何歳まで年金を受給すれば元が取れるかなどを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国民年金の保険料と受給資格について
国民年金は、原則として20歳以上60歳未満の日本在住の方なら加入しなければなりません。しかし、収入がなく保険料の支払いが難しい方を対象とした、納付の猶予や免除制度などもあります。
本項では、国民年金の保険料と受給資格について解説します。特例や年金納付の免除を受けていた場合、受給できる年金の額にどのように影響があるかなども解説します。
国民年金の保険料は毎年見直されている
国民年金の保険料は、毎年見直されています。制度が始まった昭和36年の月額保険料は、30歳以上が100円、35歳以上は150円でした。その後、昭和57年4月に月額5000円を超え、平成5年4月には1万円を超えます。そして、令和5年の月額保険料は1万6250円です。
国民年金の月額保険料は、令和4年より少し安くなりましたが、やはり高いと感じる人も多くいます。「将来はもっと高くなって、負担が大きくなるのでは?」と心配になる方もいるでしょう。
支払いが難しい対象となる方向けに、全額・半額免除、4分の1納付、4分の3納付といった制度もあります。経済的に年金保険料の支払いが難しい場合は、近くの年金事務所や市役所の窓口に相談にいきましょう。また、申請は郵送でも可能です。
年金を満額受給するには40年の納付期間が必要だが、受給資格期間が10年以上得られる
国民年金は、一定期間保険料を納付しないと受給資格を得られません。国民年金の納付期間は原則として20~60歳までなので、満期の納付期間は40年です。そして、受給資格が得られる納付期間は10年以上です。
かつては、25年以上納付期間がないと受給資格が得られませんでしたが、平成29年8月1日より納付が必要な最低期間が短縮されました。
なお、年金は納付期間に応じて受取額が変わります。令和5年の国民年金の満額給付は、月額6万6250円です。納付期間が10年の場合は、満額給付のおよそ4分の1となります。
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国民年金を令和5年度の保険料で納め続けた場合の総額は?
国民年金の保険料を令和5年度の月額保険料、1万6520円で20~60歳まで納め続けた場合、国民年金保険料の総額は、1万6520円×12×40=792万9600円となります。
一方、令和5年度の国民年金の受給額は月額6万6250円なので、792万9600円÷6万6250円=約120ヶ月で元が取れる計算です。したがって、65歳から年金を受給した場合10年後の75歳で元が取れることになります。
また、国民年金保険料を納め続けていると、老齢年金だけでなく障害年金などの受給資格も得られます。障害年金は、病気やけがで生活・仕事などが制限されるようになった場合に受け取れる年金のことで、現役世代も受給が可能です。つまり、年金保険料を納め続けていれば、病気やけがで働き続けるのが難しくなった場合の保険にもなります。
国民年金は老後の生活資金のためだけではないので、しっかりと納めよう
国民年金の保険料は、収入によっては重い負担になるケースもあります。しかし、所得が少ないなどの理由から保険料の納付が困難な人には、全額免除や一部免除が認められることもあり、経済状態が回復したときに追納も可能です。
国民年金は老後の生活を支えるだけでなく、けがや病気になって働けなくなった場合にも役立ちます。令和5年度の保険料ならば、40年納付しても10年の受給で元が取れるので、しっかりと納めましょう。保険料がお得になる支払い方法もあるので、詳しくは日本年金機構のホームページを確認してください。
出典
日本年金機構 20歳になった時
日本年金機構 国民年金保険料の変遷
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー