更新日: 2023.12.22 その他年金

70歳でも元気なうちは働いた方がよい?70歳代の平均年金額と「足りない」場合の対策

70歳でも元気なうちは働いた方がよい?70歳代の平均年金額と「足りない」場合の対策
街を見渡せば、店舗や商業施設のほか屋外の駐車場など、いたるところで70歳以上の高齢者であろう方が働いている姿を目にします。こういった姿を目にするたび「70歳を迎えても、元気なうちは働くべきか」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで、70歳になっても働くべきか、70歳代の平均的な年金額や年金が不足する場合の対策とともに考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

70歳代の年金平均額は月々12万3000円程度と想定!

70歳代の平均年金額は、男女合わせて月々おおよそ12万3000円と推定されます(令和4年老齢年金受給者実態調査における「70~74歳」と「75~79歳」の平均年金額を足して2で割って、月額換算して算出)。
 
1月当たり12万3000円の年金だけで生活できるかといえば、そうではありません。総務省統計局の「家計調査年報(令和4年)」によれば、65歳以上の単身無職世帯の場合、およそ毎月15万6000円の支出が生じています。年金だけでは、統計上の一般的な生活をしたとしても、毎月3万円以上も生活費が不足する計算になります。
 
また、65歳以上の夫婦のみの世帯の場合、月々の支出はおよそ26万9000円です。夫婦で平均額の年金を受け取ったとしても、2万3000円程度は不足分が生じるわけです。
 
ここから、一般的な生活を送るには、年金額だけでは足りない部分を何らかの方法で補わなければ、老後破産となる可能性が高いといわざるをえません。
 

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70歳でも元気なうちは働くべき?

年金だけで不足する生活費をどうするか、という問題に対しては「必ずしも働かなくてもいい」といえます。老後資金を2000万円、3000万円と大きな額で有しており、毎月不足する生活費を補っていけるだけの蓄えがある方は、必ずしも働く必要はないからです。
 
とはいえ、年金だけで生活しようとすると収入が不足するので、基本的には70歳になっても、元気で働けるうちは働いた方がいいでしょう。なぜなら、働いて収入を得ることでその分生活を安定させることができるからです。
 
年金による収入だけでは、日々の生活費が不足します。かといって、老後資金の切り崩しを続けていくのは、思っている以上に不安なものです。
 
また、老後はけがや病気をしやすく、それらが重症化しやすくもあります。それゆえ、想定外の事故で医療費などの支出が増えてしまうと、老後資金が足りなくなる恐れもあります。
 
そういったリスクの存在を加味し、老後を健やかに過ごすことを考えると、老後は年金と就労によって得られる給料で生活し、できる限り毎月の家計から赤字が出ないようにするのが理想的です。
 

働くこと以外にはどんな対策がある?

働くこと以外にも、年金が足りない場合の対策はいくつかあります。その一つが節約です。
 
余分な支出や、収入に比して過大な支出を中心に見直して、定期的に得られる年金と今ある資産とで生活できるように、支出をコントロールします。一例として、通信費や交際費、車両費、保険などを中心に見直すことで、支出をコントロールしやすくなるでしょう。また、健康の維持に努めて病気やけがを防止し、医療費の支出を抑えることも有効な対策です。
 
他にも、資産運用をして資産の寿命を延ばすなどの方法も有効です。ただし、資産運用は短期的に見れば大きな損失が出ることもあります。そのためリスクを許容した上で、比較的長く安定して収益を得られる方法を選ぶといいでしょう。
 
基本的には許容できる上限額の範囲にて、投資信託を通じて運用することをおすすめします。逆に、不動産投資など元手が大きくかかる方法や、資産価値の上下が激しい方法で資産運用することは、リスクが高いので避けるべきでしょう。
 

まとめ

無理に働く必要もありませんが、70歳になってもまだまだ元気なのであれば、老後の生活をより長く安定させつづけるために、無理のない範囲で働くのがおすすめです。
 
70代の平均年金額は月々12万3000円程度であり、多くの世帯において、年金だけでは家計が赤字となることが予想されるからです。
 
もし、年金だけでは生活費が足りない場合、就労や節約のほか、資産運用など自身に合った方法で、かつ、できる範囲で何らかの対策をしてみてください。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要
厚生労働省 e-Stat年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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