ギリギリまで年金受給を繰下げて多くの老後資金を集めたいです! ただ、平均寿命との兼ね合いが心配です……。
配信日: 2024.01.25
そこで本記事では、繰下げ受給の「損益分岐点」について解説します。あわせて、繰下げ受給の概要についても紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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繰下げ受給とは?
年金の繰下げ受給を選択すると、受け取る時期を遅らせた分、年金額を増額させることができます。日本年金機構によると、増額率は1ヶ月につき0.7%です。増額率の計算式は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」です。
例えば、67歳1ヶ月で受け取ることにした場合、「0.7%×25ヶ月」で増額率は17.5%になります。最大の増額率となる75歳で受け取るとしたら、「0.7%×120ヶ月」で増額率は84%です。
例えば、本来もらえる年金が6万円の場合、75歳まで繰下げれば、「6万円×1.84」で、11万400円もらえることになります。いったん年金を受け取ると、その時点で増額率は固定され、一生涯変わることはありません。
繰下げの上限年齢は75歳までです。そのため、75歳以降はいくら受け取りを遅らせても、年金が増額されることはありません。また、加給年金額や振替加算額は増額の対象外です。65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までに、障害給付や遺族給付を受け取る権利が発生した場合、繰下げ受給はできなくなります。
さらに、繰下げ待機期間中、他の公的年金の受給権が発生すると、その時点で増額率が固定されることにも注意しましょう。
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損益分岐点とは?
年金の受け取りは原則65歳です。そのため、65歳で受け取った場合の年金を100%として、損益分岐点を計算すると、「100%×10年÷84.0=11.904年」になります。つまり75歳から年金を受給開始した場合、およそ11年で65歳から受給した場合の総額を上回ります。
厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によれば、男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳です。そのため、平均寿命まで生きると仮定した場合、男性は69.22歳が受け取り開始の損益分岐点になります。
一方、女性は75.26歳が損益分岐点です。繰下げの上限年齢は、75歳までです。ということは、平均寿命まで生きることができれば、女性の場合は上限の75歳まで繰り下げても損することはないと考えられます。
損益分岐点から何歳まで繰下げるかを考えよう
年金の受け取り総額が65歳で受給した場合に追い付く損益分岐点は、受給開始から11年10ヶ月後です。平均寿命まで生きると仮定した場合、受け取り開始の損益分岐点は男性は69.22歳、女性は75.26歳です。ただし、繰下げの上限年齢は75歳までです。
ということは、女性の場合、平均寿命まで生きることができれば、上限の75歳まで繰下げても損はしないと考えられます。自分の経済環境や健康状況などを考慮し、いくつから年金受給を開始するのか検討するとよいでしょう。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー