更新日: 2024.01.25 その他年金

年金を繰下げるとどのくらい増えますか? 月10万円の年金を1年・2年・3年繰下げたらいくらになるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金を繰下げるとどのくらい増えますか? 月10万円の年金を1年・2年・3年繰下げたらいくらになるのでしょうか?
年金の「繰下げ受給」は、老齢年金を増やしたい場合に利用できる制度です。「繰下げ受給」では、老齢年金の受給開始年齢を繰下げることで年金額を増額できます。具体的に1年・2年・3年繰下げた場合には、それぞれどのくらいの増額が期待できるのでしょうか。
 
本記事では、「繰下げ受給」の概要と、月10万円の年金を1年・2年・3年繰下げた場合の、それぞれの年金額などを解説します。
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「繰下げ受給」とは

「繰下げ受給」は、本来は65歳から受給できる老齢年金(基礎年金と厚生年金)の受給開始年齢を、65歳以後に繰下げて増額した年金を受け取ることができる制度です。繰下げられるのは66歳以後75歳までの間で、繰下げた期間(年齢)に応じて年金額が増額されます。
 
また、基礎年金と厚生年金の受給開始年齢を別々に繰下げることもできますし、どちらか一方だけを繰下げることも可能です。付加年金がある場合は、その年金額も増額されます。
 
ただし、「特別支給の老齢厚生年金」には、繰下げ受給がありません。そのため、特別支給の老齢厚生年金を受給する場合は、当年金の受給開始年齢に達した時点で、速やかに受給を開始する必要があります。
 

月10万円の年金を1年・2年・3年繰下げた場合の年金額

月10万円の老齢年金を「繰下げ受給」した場合の年金額は、繰下げ期間が1年で月8400円、同2年で月1万6800円、同3年で月2万5200円増額します。
 
【繰下げ受給を利用した場合の年金額の算出方法】
繰下げ受給を利用した場合の年金額を算出するためには、まず繰下げ期間によって変わる増額率(一生変わらない)を算出します。そのうえで、年金額に増額率を掛ければ、繰下げ受給を利用した場合の年金額が算出できます。
 
増額率の計算式は、「0.7%×繰下げ月数(65歳の到達月から繰下げ申出月の前月までの月数)」です。この計算式を使って計算すると、受給開始年齢を66歳0ヶ月まで繰下げた場合の増額率は、「0.7%×12ヶ月」で8.4%になります。
 
67歳0ヶ月なら「0.7%×24ヶ月」で16.8%、68歳0ヶ月では「0.7%×36ヶ月」で25.2%です。そのため、「繰下げ受給」の期間が1年なら、「10万円×8.4%」で月8400円増額できます。同2年なら「10万円×16.8%」で月1万6800円の増額、同3年であれば「10万円×25.2%」で月2万5200円の増額ということになります。
 

繰下げた年金の請求方法

繰下げた年金を受給するには、所定の手続きが必要です。老齢年金を初めて請求する場合は、繰下げ受給を希望する時期に、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」を提出します。提出先は、最寄りの年金事務所か街角の年金相談センターです。
 
なお、65歳以上の人は、「年金請求書」に加えて、「老齢年金の受取方法確認書」と「繰下げ申出書」の提出が必要です。ただし、すでに老齢年金を受給または過去に受給していた場合は、「年金請求書」ではなく、「老齢基礎・厚生年金裁定請求書/支給繰下げ請求書」を提出します。
 

「繰下げ受給」は、老後の生活設計を考慮して繰下げ期間を決めよう

老齢年金の「繰下げ受給」を利用すると、月10万円の年金の場合は、繰下げ期間1年で月8400円、同2年で月1万6800円、同3年で月2万5200円増額できることが分かりました。
 
本記事では、1年・2年・3年繰下げた場合に増額できる金額を算出しましたが、「繰下げ受給」は10年間(75歳まで)繰下げることができます。そのため、「繰下げ受給」を利用する場合は、老後の生活設計を考慮したうえで繰下げ期間を決めることが大切です。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 66歳以後に老齢年金の受給を繰下げたいとき
日本年金機構 初めて老齢年金を請求するとき
日本年金機構 66歳以後に年金の請求(繰下げ請求または65歳にさかのぼって請求)をするとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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