更新日: 2024.02.09 iDeCo(確定拠出年金)
iDeCoに加入中の夫が亡くなりました。積み立てたお金はどうなるのでしょうか?
本記事では、iDeCo加入者が死亡した際の死亡一時金について解説します。相続優先順位、死亡一時金の請求方法などをまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?
iDeCoとは私的年金制度の一つで、加入申込や掛金の拠出、運用を自身で行います。掛金が全額所得控除になるなど税制優遇を受けられることが特徴で、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)とは別に給付を受けられます。原則として65歳未満の国民年金被保険者であれば加入できますが、拠出した掛金は60歳まで引き出せません。
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iDeCoに加入者が死亡した場合の積立金はどうなる?
万が一iDeCoの加入者が死亡したとしても、それまで積み立てた資金および運用益は「死亡一時金」として遺族に一括で支払われます。ただし、死亡一時金は自動的に支払われるわけではなく、遺族が請求手続きを行わなければなりません。
積み立てた資産は、手数料を差し引いた状態で受け取りが可能です。加入者の死亡によって資金のすべてが消滅し、損をするようなデメリットはないので安心してください。
死亡一時金の相続優先順位がある
遺族であれば死亡一時金を受け取れるのではなく、相続人は以下のように優先順位が決まっています。
●1位:配偶者
●2位:子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹で、死亡したiDeCo加入者の収入によって生計を維持されていた者
●3位:2位に該当する者以外で、死亡したiDeCo加入者の収入によって生計を維持されていた親族
●4位:子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹で、死亡したiDeCo加入者の収入によって生計を維持されていない者
死亡したiDeCo加入者に配偶者がいれば、すべての死亡一時金を受け取れるのは配偶者です。死亡したiDeCo加入者が独身で配偶者がいない場合、2位に該当する子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹の人数に合わせて均等に支払われます。
その他にも、生前に死亡一時金の相続人を指定することも可能です。前出の優先順位で相続人が決まるのではなく、iDeCo加入者が指定した受取人に死亡一時金が支払われます。ただし、相続人に指定できるのは、配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹のいずれかとなるため注意してください。
死亡一時金の請求方法
iDeCo加入者の死亡によって、遺族が死亡一時金を受け取るためには裁定請求という手続きが必要です。裁定請求を行わないかぎり、死亡一時金は支払われないので注意してください。
手続きの方法としては、まずiDeCoの掛金を拠出していた運営管理機関に連絡をして、「加入者等死亡届(iDeCo加入者が死亡した際の証拠となる書類)」を提出してください。その際に、「死亡診断書」または「死亡を明らかにすることができる書類」の添付が必要です。
さらに加入者等死亡届以外にも、iDeCo加入者の年金資産の記録関連業務を行う記録関連運営管理機関(RK)に「死亡一時金裁定請求書」を提出してください。裁定が完了した後に、指定した金融機関口座へ死亡一時金が支払われます。
死亡一時金にかかる税金
iDeCoの死亡一時金は相続財産のうち「みなし相続財産」となり、死亡後3年以内に支給が確定した場合は相続税がかかります。ただし、死亡一時金には非課税限度額があり「500万円×相続人の数」の範囲内であれば相続税はかかりません。
また、iDeCo加入者が死亡してから3年を超えて死亡一時金の支給が確定した場合、受け取った家族の一時所得として課税対象となり、5年を超えると受け取りが認められません。
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iDeCoの加入者が死亡しても積み立てたお金は無駄にならない
iDeCo加入者が死亡した場合、死亡一時金が支払われます。拠出した掛金が消滅して無駄になることはないので安心してください。死亡一時金には相続優先順位がありますが、加入者は配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹のなかから、事前に受取人を指定しておくことも可能です。
ただし、死亡一時金を受け取る際には遺族が請求手続きを必要があります。また、iDeCo加入者の死亡日から3年以内に死亡一時金を受け取る場合、500万円×法定相続人数なら非課税枠が適用されますが、3年経過後5年以内に受け取る場合は一時所得として課税対象、5年を超えると死亡一時金の受け取りが認められない点に注意しましょう。
出典
厚生労働省 iDeCoの概要
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 加入者の方へ
国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー