更新日: 2020.04.07 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoによる節税効果!どんなメリットがあるのか

執筆者 : 浦上登

iDeCoによる節税効果!どんなメリットがあるのか
老後の資産形成の目玉商品として登場したiDeCoですが、節税の観点からみても非常に優れた商品であることは間違いないようです。その節税効果を投資の回収とみた場合、非常に大きな「利回り」になることがiDeCoの特長でもあります。
 
今回はiDeCoの3つの節税効果についてお話ししたいと思います。
 

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浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

一番のメリットは掛け金拠出時に、掛け金全額が所得控除の対象となること

所得控除の節税効果については、折に触れ説明していますが、iDeCoの持つ節税効果の中でも所得控除が最大のメリットです。勤務先で企業年金のある人は、iDeCoの掛け金の上限額が年間24万円になります。
 
この24万円の掛け金を拠出した年度の所得控除による節税効果を具体例でご説明します。
 
年間収入 700万円、課税所得 300万円の方を想定した場合、所得税率10%、住民税率(所得割)10%なので、iDeCoの節税効果は次のとおりとなります。
 
(注)厳密にいうと、復興特別所得税があるので10.21%ですが、細かいので以下の記述では省きます。
 
24万円×(10+10)%=4万8000円
 
4万8000円が翌年度か翌々年度に還付されるか、減額されることになります。節税効果を投資に対する回収と考えれば、掛け金に対し20%の投資回収効果があることになります。
 
銀行のキャンペーン金利でも年率0.5%に届かない現在では、とんでもない高利回りです。しかも、これを30年続ければ絶対額でも非常に大きなものになります。これだけでも投資しない理由はありません。
 
しかも、節税効果なので、制度が変わらない限り確定しており、リスクはありません。リスクをおかして株式を買うのとは全く違います。
 
もう1例あげると、もしあなたが収入850万円程度で課税所得が354万円以上の方なら、iDeCoで24万円の掛け金を拠出した場合、所得税率は20%なので、投資利回りは30%になります。
 

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iDeCoの運用益は全額非課税というメリット

これはNISAと同様の特長です。
 
ただし、NISAが投資先を上場株式や投資信託のような変動型投資商品に限るのに対し、iDeCoは元本確保型商品(預金、保険)と変動型商品(各種投資信託)への投資が可能で、それらの比率を自由に組み合わせることも可能です。
 
運用益非課税ということは、本来ならば、運用益に20%強の税金がかかりますが、それが非課税になるということです。
 
節税効果の話からは少しずれますが、所得控除による投資回収効果が20~30%ある商品なので、元本確保型商品で運用して価格変動リスクを回避しても、投資のメリットは十分にあります。なお、銀行預金は全額ペイオフ対象、保険型商品は保険契約者保護機構が元本の90%まで保証します。
 

受け取り時のメリット

iDeCoは投資者のニーズによって2通りの受け取り方が選択できます。1つは年金として受け取る、もう1つは一時金として受け取る方法です。
 
前者の場合は「公的年金控除」、後者の場合は「退職所得控除」が適用されます。金融機関によっては併用ができるところもあるようです。
 
どのような形で受け取るのが税務的に有利かについては、個々人の事情により異なるため詳しくは述べませんが、注意事項だけ列挙します。
 
(1)年金で受け取る場合は、自らの老齢厚生年金と合わせると公的年金控除を上回ってしまう可能性があるので、受け取り時期には注意が必要です。
(2)一時金で受け取る場合にも、会社の退職一時金と同じ年度の受け取りになると、2つの所得が合算され、退職所得控除を上回ってしまう可能性があり、同じく受け取り時期には注意が必要です。
(3)上記のような事情を踏まえれば、年金払いと一時金払いの「併用」が可能な金融機関で資金を運用した方がいいでしょう。
 
最後にiDeCoに関する注意点をあげておきましょう。
 
(1)iDeCoは60歳になるまで受け取ることができません。あくまで老後のための年金ですから、住宅資金やお子さんの教育資金等、近いうちに必要な資金をiDeCoにあててはいけません。老後のための資金を掛け金にしてください。
 
(2)掛け金全額が所得控除になることの節税効果は、所得税の還付、住民税の減額という形でみなさんに戻ってきますが、これらは、給与の手取増という形になります。ややもすれば、生活費や遊興費に使ってしまい、いつの間にかどこかへ行ってしまうことになりかねません。自分できちんと計算して別口座に移すなど、管理することが大切です。
 

まとめ

今までiDeCoの節税メリットについて述べてきました。
 
みなさんも、節税メリットが三拍子そろったiDeCoで投資を積極的に考えてみてはいかがでしょうか。
 
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー