更新日: 2024.03.28 その他年金

年金月額が「30万円」という知人。実際にあり得るのでしょうか?

年金月額が「30万円」という知人。実際にあり得るのでしょうか?
受給できる年金額は、会社で働いていた期間や収入によって変動します。月に30万円以上受け取っている方もゼロではありません。人から言われた年金額が本当か気になる場合は、年金額からおおよその年収を求めることも確認する方法の一つです。
 
今回は、年金額からおおよその年収を求める方法や、実際に月30万円以上年金を受け取る方がどれくらいいるのかなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金額からおおよその年収を計算する方法

支給される年金額は、国民年金を全期間納付しているのかと、厚生年金にどれくらいの期間加入し、いくら収入を得ていたのかで増減します。
 
老齢基礎年金は、欠かさず納めていれば満額を受給可能です。老齢厚生年金のおおよその金額は、年金計算の基礎とされる報酬比例部分の数値を求めると分かります。報酬比例部分は、平成15年4月以降に加入した場合は「平均標準報酬額×0.005481×合計加入期間月数」で計算が可能です。
 
平均標準報酬額は、月収を等級(32等級である65万円が上限)に分けた「標準報酬月額」と税金が引かれる前の賞与(1回につき150万円が上限)から1000円未満を切り捨てた「標準賞与額」の総額を、加入月数で割って求めます。
 
つまり、月収と賞与を合わせた額の平均値である平均標準報酬額が分かれば、おおよその年収の金額も割り出し可能です。
 

年金を月に30万円もらえるのは年収いくらの人?

今回は、以下の条件で計算します。
 

・令和4年時点の老齢基礎年金額を受け取っている
・厚生年金の加入は22~65歳
・平成15年4月以降に厚生年金へ加入
・賞与はないものとする

 
まず、令和4年時点での老齢基礎年金は、満額納付している方で毎月の受給額は6万4816円です。国民年金を満額納めていれば、残り23万5184円を老齢厚生年金で受け取ることになります。老齢厚生年金で必要な額は、年間額にして282万2208円です。
 
年金を報酬比例部分で月23万5184円受給する場合の計算式は、「282万2208円=平均標準報酬額×0.005481×516ヶ月」になります。式より、平均標準報酬額は約99万7883円となり、年収に換算すると1197万4596円です。
 
つまり、計算上では厚生年金の全加入期間の年収が、1197万4596円以上であれば年金を月に30万円もらえることになります。
 

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年金を月に30万円受け取っている人はどれくらい?

厚生労働省年金局が公表している「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金を月に30万円以上受け取っている方の割合は約0.078%でした。少ない割合ではありますが、実際に月に30万円の年金を受け取る方はいます。
 
ただし、常に年収が1200万円近くなかったとしても、退職金を年金で受け取っていたり確定拠出年金などを活用して年金額を増やしたりしていた場合は、月に30万円以上受け取っている可能性もゼロではありません。
 

年金を月に30万円受け取っている方はいる

年金を月に30万円受け取るには、常に年収が1197万4596円以上あることが条件です。人数としては多くありませんが、実際に月額30万円以上の年金を受け取る方はいます。また、年収がそれに満たない場合でも、退職金を年金にしたり確定拠出年金を利用したりしていれば、30万円を受け取っている可能性があるといえるでしょう。
 

出典

厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(26ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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