「年金16万円」を受け取りながら、会社員としても「月30万円」受け取っています。友人から「仕事を手伝ってほしい」と言われていますが、年金が“減額”にならないか不安です…

配信日: 2024.05.24

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「年金16万円」を受け取りながら、会社員としても「月30万円」受け取っています。友人から「仕事を手伝ってほしい」と言われていますが、年金が“減額”にならないか不安です…
「年金を受給しながら給料をもらうと、年金が減額されることがある」という話を聞いたことはありませんか。「せっかく働くのに損はしたくない。年金が減らない働き方をしたい」と思う人も多いでしょう。
 
本記事では、在職老齢年金(働きながら受給する年金)の概要、本業をしながら短時間バイトをしたときの扱い、年金が減額されない働き方などについて解説します。
橋本典子

執筆者:橋本典子(はしもと のりこ)

特定社会保険労務士・FP1級技能士

年金を受給しながら働くと

老齢年金を受給しながら会社員として働くと、年金が減額されることがあります。年金と給与には、どのような関係があるのでしょうか。
 

年金減額のルール

老齢厚生年金を受給している人が、同時に厚生年金の被保険者でもある場合は、年金と給与・賞与の合計が50万円を超えると、超えた分の2分の1の額の年金が支給停止になります。
 
基本月額−(基本月額+総報酬月額相当額−50万円)×1/2
 
「基本月額」とは、1ヶ月分の老齢厚生年金の額、「総報酬月額相当額」とは「月給+(過去1年間にもらった賞与の1/12)」のことです。
 

該当するのは「厚生年金の被保険者」

しかし、前述の計算式の総報酬月額相当額に算入されるのは「厚生年金の被保険者として働いている会社からの給与や賞与」に限られます。そのため、会社員を退職して自営業を始めたような場合は、たとえたくさんの収入があったとしても年金の額に影響はありません。
 

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「年金16万円・給与30万円」のケース

老齢厚生年金が月16万円、給与が月30万円(賞与なし)のケースで考えてみましょう。
 
(年金月額)16万円+(総報酬月額相当額)30万円=46万円
46万円<50万円ですから、老齢厚生年金は支給停止されません。
 

短時間パートを始めても年金額に影響はない

タイトルのように、この人が「友人の会社を時々手伝う」ことになったとしても、厚生年金に加入しないような働き方なら年金の額には影響しません。報酬がいくらでも同じです。
 

業務委託で働けば年金は減額されない

もし友人の会社での働き方が、雇用ではなく業務委託であるときも、同じ理由で老齢厚生年金は減額されません。
 

本業の賃金が増えた場合は

しかし、この人の年金が今後もずっと減額されないかといえば、そうとも言い切れません。本業の会社からの収入がアップするかもしれないからです。
 
また老齢厚生年金の額も、毎年、少しだけですが上がっていきます。65~69歳の人が老齢厚生年金を受けながら働く場合は、毎年9月に年金が再計算され、1年間支払った厚生年金保険料分が年金にプラスされるからです。
 
もし何らかの理由で、本業の会社の給与が大幅にアップするようなことがあれば、老齢厚生年金の支給停止もあり得ます。
 

まとめ

「老齢厚生年金と給与の合計」が50万円を超えると、超えた分の2分の1の額の年金が減額されます。ただしここでいう「給与」は、厚生年金の被保険者として受けた賃金、つまり本業の会社からもらう給与に限られます。そのため他の会社でのパート収入があっても、年金額に影響はないでしょう。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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