更新日: 2024.05.27 国民年金

「国民年金保険料」を払わなかった期間がある場合、将来受け取る年金はどうなりますか?

「国民年金保険料」を払わなかった期間がある場合、将来受け取る年金はどうなりますか?
国民年金は20歳になれば必ず加入する年金です。学生や自営業者など、第1号被保険者に該当する方は、国民年金保険料を納付する義務があります。
 
日本年金機構によると、国民年金保険料を支払う能力を持ちながら支払わなかった場合、催告状が届き、それでも未納が続く場合には督促状が送られてきて、最終的に財産などが差し押さえになるおそれもあります。特別な事情がない限りは、支払うようにしましょう。
 
もし、国民年金保険料を支払うことが経済的に困難な場合は免除制度が利用できる場合があります。ただし、年金は免除期間や免除された割合に応じて減額するため、将来受け取れる年金額は満額よりも少なくなります。少しでも年金額を増やしたいのなら、制度を利用するといった方法の検討も必要です。
 
今回は、年金の納付期間と将来受け取る年金額について、また年金額を増やす方法などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金を納めていないとどうなる?

学生や自営業者など、国民年金第1号被保険者に該当する方は国民年金保険料を納める義務があります。前述の通り、国民年金保険料を支払う能力を持ちながら支払わなかった場合、催告状や督促状が送付され、最終的に財産などが差し押さえになるおそれもあるため注意しましょう。
 
また、年金の加入期間が10年未満の場合、年金は受け取れません。受給条件のひとつに「受給資格期間が10年以上あること」が定められているためです。なお、免除制度などを利用せずに年金を滞納した場合は、加入期間に含まれません。
 
老齢基礎年金は、国民年金保険料を納めた期間に応じて決められます。令和6年度なら81万6000円と、満額の受給額が決まっており、納めなかった期間によって減額していく仕組みです。
 
受け取れる金額は、以下の計算式で求められます。
 

・満額で受け取れる場合の受給額×{保険料を納めた月数+(全額免除された月数×4/8)+(4分の1を納めた月数×5/8)+(半額を納めた月数×6/8)+(4分の3を納めた月数×7/8)}/40年(加入可能年数)×12月

 
免除された月や金額を少なくして納めた月数は、年金の免除制度を利用した期間を指します。免除制度を利用すると、年金を受け取れる条件のひとつ「受給資格期間」には月数が加算されますが、金額の計算は免除の割合に応じて減額されます。
 
例えば、40年間すべてで免除制度を利用した場合の年金受給額は満額の2分の1です。令和6年度の老齢基礎年金額を基にすると、受け取れる金額は40万8000円の計算になります。
 

年金の納付期間が足りないときは「任意加入制度」も検討する

納付期間が足りなかったり少なかったりしたために受け取れる年金額が少ない場合は、「任意加入制度」を利用すると受給額を増やせます。任意加入制度は、以下の条件にすべて該当する方が利用できる制度です。
 

・日本在住で60歳以上65歳未満
・20歳以上60歳未満までの保険料の納付期間が480月(40年)未満
・老齢基礎年金の繰上げ支給を利用していない
・厚生年金保険や共済組合などに加入していない

 
また、65歳以上70歳未満で年金を受け取れる受給資格期間を満たしていない方も利用可能です。
 
令和6年度の金額と仮定して60歳から5年間の任意加入制度を利用すると、納付額は5年間の合計で101万8800円、受け取れる年金額は1年あたり約10万2000円増額します。
 

年金の納付期間によって将来受け取れる年金額が変わる

国民年金は20歳になれば必ず加入する年金で、学生や自営業者など、国民年金第1号被保険者に該当する方は国民年金保険料を納付する義務があります。
 
なんらかの事情で年金を納められなかった場合、年金を納めなかった期間によって、将来受け取る金額も減ります。年金の免除制度を利用していた場合は、免除された割合や月数によって受け取れる年金額が減少します。
 
もし少なくなった年金額を増やしたい場合は、任意加入制度の利用も検討しましょう。任意加入制度を利用すれば、受け取れる年金額を増やせます。ただし、繰上げ支給を受けていると利用できないため、注意が必要です。
 

出典

日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 年金用語集 た行 第1号被保険者
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金の加入 任意加入制度
日本年金機構 年金の「未納」「未加入」「免除」期間がある60歳以上の方へ あなたも国民年金を増やしませんか?
 
※2024/5/27 記事を修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集