更新日: 2024.06.06 その他年金

父親の年金が「月20万円」ももらえているのに驚き! 現在30歳ですが私も「満額」なら同じくらいもらえるのでしょうか?

父親の年金が「月20万円」ももらえているのに驚き! 現在30歳ですが私も「満額」なら同じくらいもらえるのでしょうか?
昨今は年金制度に対する不安が高まっており、現役世代で「将来自分は年金を受給できるのだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
 
少子高齢化が進むと、将来受け取れる年金は現在の年金給付の水準よりも落ち込んでしまう可能性があります。現在の給付水準を確認したうえで、自分はどのような対策をすべきか考えましょう。
 
本記事では、父親が年金で月20万円受給して驚いた人の事例を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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父親の年金受給額は月20万円! 思ったよりももらっていた!

Aさんは実家に帰省した折に、父親の年金が月20万円であることを知らされました。Aさんは漠然と「日本の年金制度は危ない」と思っていたため、「思ったよりももらっている」という印象を抱いたそうです。
 
日本年金機構によると、令和6年度における厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月23万483円でした。また、老齢基礎年金の満額は月6万8000円です。
 
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度における厚生年金の平均受給月額は14万4982円でした。
 
そのため、Aさんの父親が受給している月20万円という年金額は、高い部類に入るといえそうです。老齢基礎年金の受給額に報酬は関係ありませんが、老齢厚生年金は受け取った報酬が多いほど、厚生年金の加入期間が長いほど受給額が増えます。
 
Aさんの父親は、現役時代の収入が高かったと考えられるでしょう。また、繰下げ受給をして年金額が増額されている可能性も考えられます。
 

現在30歳の人が年金を月20万円受給するには?

受給できる年金額を増やす方法として、以下が挙げられます。

●厚生年金に加入する期間を延ばす(長く働く)
●厚生年金加入中の収入を増やす
●繰下げ受給を行う

将来受給できる公的年金は、厚生労働省の「厚生年金シミュレーター」でシミュレートできます。例えば、22歳から65歳に到達するまで厚生年金に加入し、加入期間中の平均年収が500万円の場合、65歳から受け取れる年金額は年額約198万円(月額約16万5000円)です。
 
加入期間中の平均年収を600万円とすると、65歳から受け取れる年金額は約223万円(月額約18万5000円)です。
 
受給できる老齢厚生年金は、主に「報酬比例部分」で決まります。報酬比例部分を計算するベースとなるのは「平均標準報酬額」で(平成15年3月以前は平均標準報酬月額)、これまでに支払った厚生年金保険料が深く関係します。
 
簡単にいうと、納めた厚生年金保険料が多ければ受け取れる年金も増える仕組みです。なお、納める厚生年金保険料は4~6月の報酬額に応じて決まります。
 
心身ともに健康であれば、可能なかぎり長く働くことが年金受給額を増やす効果的な手段となります。また、現役時からキャリアアップやスキルアップを通じて、少しでも収入を高めることも意識しましょう。
 
あわせて、年金の繰下げ受給も検討しましょう。65歳時点を起算として、年金を受給するタイミングを遅らせると1ヶ月あたり0.7%の割合で受け取れる年金額が増えます。
 
計画的に資産形成を行い、65歳時点で年金を受給しなくても生活できるような経済的基盤を整えれば、繰下げ受給を行える余裕が生まれるでしょう。例えば65歳時点で受給できる1年間の年金額が200万円の場合、5年(60ヶ月)繰下げて70歳から受給すると、70歳から42%増額された284万円の年金を受け取れます(税引き前)。
 
そのため、働き方を工夫するだけでなく、老後生活に向けて資産形成を行うことも結果的に年金受給額の増加につながります。
 

まとめ

将来自分が受け取れる年金に不安を感じている場合は、年金制度の仕組みを理解し、自分で行える対策をとることが重要です。
 
積極的にスキルアップとキャリアアップに励みつつ、可能なかぎり長く働くことが効果的な対策となります。また、長く働くためには健康体である必要があるため、若いうちから健康を意識することも効果的でしょう。あわせて、計画的に資産形成を行い、年金を繰下げ受給できる貯蓄を用意することも意識するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 公的年金シミュレーター
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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