更新日: 2024.06.30 その他年金
40歳の専業主婦、厚生年金は「2年」しか納めていません。今から「月13万円」をパートで稼ぐと、将来の年金はいくら増えるでしょうか?
では、子育てが一段落してからパートを始めても、受給できる老齢厚生年金は増えるのでしょうか。以下を例に解説します。
・在学中の20歳から2年間、国民年金保険料を納付(未納なし)
・卒業後2年間、年収312万円(標準報酬月額26万円)の会社員として厚生年金保険料を納付
・勤続2年で結婚、離職し、以降は専業主婦
執筆者:福嶋淳裕(ふくしま あつひろ)
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
リタイアメントプランニング、老後資金形成を得意分野として活動中の独立系FPです。東証一部上場企業にて、企業年金基金、ライフプランセミナー、DC継続教育の実務経験もあります。
今後も専業主婦の場合、年金額はおよそ85万円
今後も専業主婦の場合、将来受け取る年金見込み額は次のように概算できます。
●老齢基礎年金(65歳受け取り開始)=81万6000円(2024年度の満額と同じとして)
●老齢厚生年金(65歳受け取り開始)=平均標準月額26万円×5.481÷1000×24カ月=3万4200円
●年金見込み額=老齢基礎年金81万6000円(2024年度)+老齢厚生年金3万4200円=85万200円
あくまでも2024年度時点での目安ですが、65歳から年額85万200円の年金を受け取れそうです。
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パートで働いたら年金額は増える?
そもそもパートで年金は増えるのでしょうか。この答えは「厚生年金保険に加入するかしないか」で分かれます。厚生年金保険に加入しない働き方の場合、今回のケースでは老齢基礎年金にも老齢厚生年金にも影響せず、増えも減りもしません。
一方、厚生年金保険に加入する形で働くと、老齢基礎年金額に変化はないものの、老齢厚生年金の受け取り額が増えます。厚生年金保険に加入するかしないかは、雇う側の経営規模、働く時間、月給などによって決まります。厚生年金保険の加入対象者は、原則として以下のすべてを満たす人です。
●勤め先の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上)
●週の所定労働時間が20時間以上
●月額の所定内賃金が8万8000円以上
●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない
なお現在、厚生年金保険の加入者をさらに増やす方向の法改正が検討されています。
40歳から20年間、パートで月13万円稼ぐ場合
月13万円で働く場合、年金を計算する上での標準報酬月額は13万4000円とみなされます。この条件で20年働いたと仮定した場合の老齢厚生年金の額は次のように概算します。
13万4000円×5.481÷1000×240カ月=約17万6300円
あくまでも目安ですが、月13万円で20年働けば、専業主婦のまま65歳から受け取る場合の年金見込み額85万200円と比べ、17万6300円増えた102万6500円を受け取れる計算です。
40歳から20年間、パートで月15万円なら?
月給が15万円なら標準報酬月額も15万円で、15万円×5.481÷1000×240カ月=約19万7300円です。月15万円で20年働くと、専業主婦のまま65歳から受け取る場合の年金見込み額85万200円と比べ、19万7300円増えた104万7500円程度を受け取れるでしょう。
40歳から20年間、パートで月20万円の場合は?
月給20万円の場合、標準報酬月額も20万円で、20万円×5.481÷1000×240カ月=約26万3100円です。月20万円で20年働ければ、専業主婦のまま65歳から受け取る場合の年金見込み額85万1100円と比べ、26万3100円増えた111万3300円前後を受け取れそうです。
まとめ
将来受け取る年金を増やすことを目的の1つとしてパートを始めるのであれば、「週に20時間以上働けて、月に8万8000円以上もらえて、厚生年金保険に加入できる職場」を探しましょう。従業員数が少なくても、厚生年金保険に加入できる職場もあります。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 は行 報酬比例部分
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
日本年金機構 厚生年金保険料額表(令和6年度版)
執筆者:福嶋淳裕
日本証券アナリスト協会認定アナリスト CMA、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本商工会議所認定 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)