更新日: 2024.07.20 その他年金

老後に年金を受け取りながら働くと「在職老齢年金」という扱いで年金が減ると聞きました。月いくらまでに抑えればいいのでしょうか?

老後に年金を受け取りながら働くと「在職老齢年金」という扱いで年金が減ると聞きました。月いくらまでに抑えればいいのでしょうか?
近年、老後の資金を確保するために定年後も働き続ける方が増えています。一方で、老後も年金を受け取りながら働くと在職老齢年金の扱いになり、年金が減るのではと心配している方もいるでしょう。
 
本記事では、在職老齢年金の概要と、受給する年金額を減らさない働き方を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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在職老齢年金とは

日本年金機構によれば、在職老齢年金とは、60歳以降も厚生年金保険に加入して働き続ける際に受け取る老齢厚生年金のことを指し、給与と老齢厚生年金額の1ヶ月あたりの合計金額によって、老齢厚生年金額の一部またはすべてが支給停止になる制度のことをいいます。
 
具体的には、給与と老齢厚生年金の合計が1ヶ月あたり50万円(令和6年度の支給停止調整額)を超えてしまうと、超えた分の2分の1の金額が支給停止になるのです。なお、老齢基礎年金部分はすべて支給されます。
 
支給が停止される金額の計算方法は以下の通りです。
 
支給停止額=(老齢厚生年金の基本月額+総報酬月額相当額-50万円)×2分の1
 
例えば、賞与を含む毎月の給与が50万円、老齢厚生年金の基本月額が14万円の場合、給与と老齢厚生年金の合計は64万円となり50万円を超えます。この場合の老齢厚生年金の支給停止額は「(64万円-50万円)×2分の1」より、7万円となります。
 
定年後も働きたいと考えている方は、毎月の合計収入を事前に確認しておきましょう。
 

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受給する年金額を減らさない働き方

ここでは、受給する年金額を減らさずに定年後も働くためのポイントを紹介します。
 

1ヶ月の収入を50万円以下に抑える

老齢厚生年金をあわせた1ヶ月の収入額が50万円以下なら、年金を満額もらいながら働き続けられます。そのため、再雇用制度などで定年後も働き続ける際は、毎月の合計収入が50万円以上にならないよう調整するのもひとつの手段です。
 

厚生年金保険に加入しない

在職老齢年金は、厚生年金保険加入者に適用される制度です。定年後の再雇用だったとしても、正社員時代と働き方が変わらなければ厚生年金保険に加入する必要があるため制度の対象者となります。
 
しかし、自営業やフリーランスとして働けば厚生年金保険に加入する必要はなく、毎月の合計収入が50万円を超えても、年金の支給額が減額されることはありません。
 
もし、定年退職後にフリーランスとして働きたいのであれば、在宅で行える仕事がおすすめです。プログラミングスキルがあれば、IT関係の仕事を在宅でも行えるでしょう。また、長く同じ業界や業種で働き、経験やノウハウを蓄積しているのであれば、コンサルティングや顧問などの働き方もあるかもしれません。
 
コツコツ働きたい方はクラウドソーシングを利用して仕事を受注するのもおすすめです。さまざまな案件を取り扱っているため、自分のスキルを生かした働き方も、未経験の業務への挑戦もできるでしょう。
 

厚生年金保険への加入を続けるメリット

前述の通り、厚生年金保険に加入しながら働くことで在職老齢年金制度の適用を受けると、受け取れる老齢厚生年金額が一部または全額支給停止となる場合があります。しかし厚生年金保険への加入を続けることで、在職定時改定によって受け取る老齢厚生年金が毎年増額されます。
 
日本年金機構によると、在職定時改定とは「毎年、基準日(9月1日)に厚生年金保険に加入中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給権者について、前年9月から当年8月までの厚生年金保険加入期間を反映して、年金額を毎年10月分(12月受取分)から改定する仕組み」です。
 
つまり、65歳以上になってからも引き続き厚生年金保険に加入することによって、在職中に支給される年金額が毎年増えるようになり、年金を受給しながら働く際の経済基盤の充実が図られるというメリットがあるのです。
 

在職老齢年金が適用され、給与と老齢厚生年金の月額合計が50万円を超えると、超えた分の2分の1が支給停止となる

在職老齢年金によって、給与と老齢厚生年金の月額合計が50万円以上になると、50万円を超えた分の2分の1が支給停止となります。そのため、年金額を減らしたくない方は収入を調整したり、厚生年金保険に加入しない働き方をしたりする必要があります。
 
もっとも、厚生年金保険への加入を続けることで得られるメリットもあります。在職定時改定により、厚生年金保険に加入しながら働くことで、得た収入に応じて毎年の年金額が増えていくこともあわせて覚えておいてください。
 

出典

日本年金機構 年金用語集 さ行 在職老齢年金
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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