更新日: 2024.09.14 厚生年金
息子が小さな個人会社に就職したため「厚生年金」などには入っていないようです。将来のために自分で入ることを勧めるべきでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国民年金と厚生年金
日本の公的年金制度には大きく分けて、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類があります。適用事業所に常時雇用される人は原則として国民年金と厚生年金の2つに加入します。
日本年金機構によれば、厚生年金の適用事業所は「強制適用事業所」と「任意適用事業所」に分けられ、「強制適用事業所」とは、株式会社などの法人事業所や、一部の業種を除いた従業員が常時5人以上いる個人事業所を指します。
「強制適用事業所」以外の事業所の場合は、「任意適用事業所」とならない限り、第1号被保険者として国民年金のみに加入することになります。
日本年金機構が公表した令和6年4月分からの国民年金(老齢基礎年金の満額)は、月額6万8000円(年額81万6000円)です。一方、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額23万483円(年額276万5796円)と差があります。
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老後の平均生活費と不足金額
総務省統計局がまとめた2023年(令和5年)の「家計調査報告(家計収支編)」で、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の平均消費支出は25万959円、65歳以上の単身無職世帯では14万5430円と報告されています。
仮に国民年金を満額受け取れたとして、前述した令和6年度の年金額では単身の場合、毎月7万7430円が不足し、65歳から25年間受給した場合には不足分の「2322万9000円」を貯金などで用意しなければなりません。
一方、夫婦の場合でも、2人とも国民年金のみに加入していたと仮定すると、毎月11万4959円が不足し、同様に65歳から25年間受給した場合には不足分「3448万7700円」を用意する必要があるでしょう。
年金を増やす方法
国民年金の第1号被保険者が加入できる制度として「付加年金」と「国民年金基金」があります。
日本年金機構によると、付加年金は、定額保険料に付加保険料として月額400円を追加して納付することで、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。付加年金の年金額は「200円×付加保険料納付月数」です。
例えば、国民年金保険料をすべて納めたうえで、30歳から60歳までの30年間にわたり付加保険料を納めた場合「200円×360ヶ月=7万2000円」が上乗せされるため、受給できる年金額は88万8000円へとアップされるでしょう。
国民年金基金は「口数制」で加入でき、年金額や給付の型を自分で選択できる年金制度です。全国国民年金基金によると、1口目は終身年金A型・B型から、2口目以降は7種類から上限掛金の月額6万8000円まで自由に組み合わせられます。掛金は全額が社会保険料控除の対象となり、税金が軽減されるメリットもあります。
なお、国民年金基金に加入中の人は付加保険料を納付できないことに注意しましょう。
ほかにも、老後資金を増やす方法としてiDeCo(個人型確定拠出年金)が活用できるかもしれません。iDeCoは原則として20歳以上65歳未満のすべての人が加入でき、自分が拠出した掛金を自分で運用し、資産を形成する私的年金制度です。
国民年金基金連合会によれば、iDeCoは掛金や運用益、給付金を受け取るときに税制上の優遇措置が講じられています。
ただしiDeCoは原則として60歳にならないと引き出せず、また運用は自己責任で将来の受取金額は運用成績によって変動するため注意が必要です。
年金を増やして老後に備えよう
65歳以上の平均生活費をみる限り、国民年金だけだと毎月の収入が不足する可能性が高いため、自分で対策をして準備しておくことが重要です。
現在、さまざまな年金制度がそろっており、税金面でのメリットがあるものもあります。子どもの将来のために、加入を勧めてみるとよいでしょう。
出典
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 付加年金
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
全国国民年金基金 国民年金基金とは
国民年金基金連合会 iDeCo(イデコ)の特徴
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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