更新日: 2019.07.04 国民年金
対象は50歳未満! 国民年金保険料が払えない場合の保険料納付猶予制度 (1)
今回と次回の全2回に渡って、この保険料納付猶予制度を取り上げたいと思います。
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
同居の家族に収入があると保険料免除制度は認められない!
20歳から60歳まで国民年金の加入義務があります。会社員やその被扶養配偶者以外の人、つまり自営業や学生や無職、厚生年金に加入していないフリーターの人は第1号被保険者となり、毎月の国民年金保険料(平成30年度月額:16,340円)を納付する義務があります。しかし、収入が少なくて保険料を納めることができないこともあるでしょう。
そのような国民年金の保険料が納められない場合には、保険料免除制度(法定免除、申請免除(全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除))があります。しかし、本人に収入がなくて保険料が納められないとしても、同居している世帯主や配偶者が所得要件(免除の種類によって要件となる所得額は異なります)を満たしていない場合は、この保険料免除制度は適用されないことになります。
例えば、若く独身で仕事に就いていない人に同居の親がいて、世帯主である親が働いて高い収入があるような場合は、本人は保険料免除制度が受けられないことにもなります。
また、他に第1号被保険者の保険料の納付を猶予するためにある学生納付特例制度は、その名の通り学生のための制度で、学生でない場合は適用されません。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
50歳未満の保険料納付猶予制度
そこで、こういった無職やフリーターとなっている人のために、50歳未満の保険料納付猶予制度があり、本人またはその配偶者の所得が【図表1】の①~⑤のいずれかに該当していれば、保険料の納付が猶予されることになっています。
配偶者の所得要件はありますが、保険料免除制度のような世帯主の所得要件はありませんので、先述のような、収入のある世帯主の親と同居している人も納付猶予の適用を受けられることになるでしょう。
この納付猶予制度は2005年4月から、30歳未満の若年層を対象にしてスタートしましたが、2016年7月以降は50歳未満の人に対象が拡大されることになりました。ただし、納付猶予制度は2025年6月までの時限措置となっています(【図表2】)。
【図表1】の要件を満たし、保険料が払えない人は、納付猶予の申請を市区町村役場の国民年金窓口で行っておくとよいでしょう。申請して保険料の納付猶予が認められれば、翌年6月(1月~6月に申請した場合は当年6月)まで猶予されます。
また、過去の期間の納付猶予についても、最大で申請日の2年1月前まで遡って猶予が認められます。
Text:井内 義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー