男性より女性が年金を頼りにしている?年金受給者の収入は男性308万円、女性150万円
配信日: 2019.02.07 更新日: 2019.06.12
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
男性は年齢が高くなるほど収入が減っている
厚生労働省年金制度基礎調査では、日本年金機構が支給する老齢年金の受給者を対象に年金や生活に関する調査をしています。その調査結果から年金受給者の収入状況を調べてグラフにしてみました。
男性年金受給者の収入額は、平均で308.1万円となっていて、収入額を50万円刻みでみると200~250万円の人が特に多くなっています。女性年金受給者の収入額は平均150.3万円で男性の半分もありません。収入額別では50~100万円の人が特に多くなっています。
年齢階級別に収入額をみると、男性は65歳~69歳が358.0万円で最も高く、90歳以上が229.8万円で最も低くなっています。65歳~69歳から90歳以上にかけて徐々に減り、65歳~69歳の64%の水準になっているのが特徴的です。
女性は65歳~69歳が169.2万円で最も高く、65歳未満が117.7万円で最も低くなっています。男性と違って年齢階級による差はあまりありません。
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女性は男性以上に公的年金を頼りにしている
次の表は、年金受給者の収入の内訳を性別および年齢階級別にまとめたものです。男女とも年齢階級ごとに「公的年金・恩給」「企業年金・個人年金」「働いて得た収入」とその他の収入(未記載)を合計すると100%になります。
収入総額に占める公的年金の割合は、男性73.6%に対して女性は82.7%で、女性の方が公的年金により依存している状況です。
年齢階級別にみると特に高齢層で公的年金の割合が高く、85歳~89歳では男性88.3%女性93.2%、90歳以上では男性91.6%女性95.1%にもなります。企業年金・個人年金の割合は男性5.1%女性3.2%であまり多くはありません。
年齢が上がるにつれて割合が低くなっているのは、10年確定年金のように受給期間に定めのある年金を受け取っている人が一定割合いるのではないでしょうか。
勤労収入(働いて得た収入)は、65歳未満だと半数弱にありますが、年齢が上がるにつれて割合は低くなっています。65歳~69歳になると男性27.3%女性17.1%へ急激に下がり、70歳~74歳では男性17.2%女性10.6%にまで下がります。
つまり、多くの人がこの頃に働くのをやめていると考えられます。高齢になるほど勤労収入が少ないのは想像できますが、90歳以上でも男性の2.8%女性の1.3%にあるのは驚きです。
公的年金はあまり期待できないと考えている人は、企業年金・個人年金や勤労収入を増やすことで公的年金を補うことができます。働くのが好きな人は生涯現役でいると、公的年金以外の収入源を確保することができます。
企業年金・個人年金や働いて得る収入は、現役時代の備えや働き方で変わってきます。厳しい時代ではありますが、人生100年時代に備えて収入を確保していきましょう!
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者