来月65歳になる母の年金は「月4万円」程度だそうです。受給額を増やすために「繰下げ受給」を検討中だそうですが、最大でいくらまで増えるのでしょうか?

配信日: 2025.02.14

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来月65歳になる母の年金は「月4万円」程度だそうです。受給額を増やすために「繰下げ受給」を検討中だそうですが、最大でいくらまで増えるのでしょうか?
年金の受給額は、基本的には納付した国民年金や厚生年金の加入期間などによって決まります。人によっては年金を払えなかったり免除してもらったりした期間があるかもしれません。
 
年金額が少ないとき、月の受給額を増やせる方法のひとつが繰下げ受給です。今回は、繰下げ受給の概要や、年金が月4万円程度の方が繰り下げるといくらになるのかなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の繰下げ受給とは?

老後に受け取れる年金は、国民年金保険料の納付期間に応じて受け取れる老齢基礎年金と、厚生年金保険料の支払いに応じて受け取れる老齢厚生年金があります。
 
通常、これらの年金は65歳から受け取り始めます。しかし、受け取り始めるタイミングを遅らせることで、月の受給額を増やせる制度が繰下げ受給です。
 
日本年金機構によると、繰下げ受給では、「65歳に達した月から繰下げ受給を申請した月の前月までの月数×0.7%」の割合で受給額を増やせます。なお、繰下げ受給ができるのは最大で75歳0ヶ月までです。
 

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繰下げ受給をするといくら受け取れる?

今回は、以下の条件で繰り下げたときの年金受給額を計算しましょう。

・国民年金を30年間全額免除、10年間は全額納付したとする
 
・厚生年金の加入期間はない
 
・老齢基礎年金額は令和6年度のものとする

まず、今回の条件の場合、老齢基礎年金額は年51万円、月4万2500円です。厚生年金には加入していないため、老齢厚生年金は受け取れません。
 
月4万2500円の方が年金を繰下げ受給すると、表1のように金額が変動します。
 
表1

繰り下げた年齢 増額率 年額 月額
70歳0ヶ月 42.0% 72万4200円 6万350円
71歳0ヶ月 50.4% 76万7040円 6万3920円
72歳0ヶ月 58.8% 80万9880円 6万7490円
73歳0ヶ月 67.2% 85万2720円 7万1060円
74歳0ヶ月 75.6% 89万5560円 7万4630円
75歳0ヶ月 84.0% 93万8400円 7万8200円

※筆者作成
 
最大で、年額42万8400円、月額3万5700円増加した金額を受給できます。また、令和6年度時点での老齢基礎年金の満額は年81万6000円、月6万8000円です。73歳まで繰り下げると、満額よりも多く受け取れることになります。
 

繰下げ受給のメリットとデメリットとは?

繰下げ受給のメリットは受給額を増やせる点です。さまざまな事情で元の年金額が少ない方でも、繰り下げることで満額支払っている場合と同額以上を受給できる可能性があります。年金額に不安があり、貯蓄に余裕がある場合は、将来の受給額を増やすために有効な手段といえるでしょう。
 
一方で、繰下げ受給の待機中は年金収入がありません。繰り下げ期間中に働いていなかったり貯蓄があまりなかったりする方は、生活に困難が生じる可能性があります。繰り下げ期間中に収入源がない場合は、受給開始時期をよく検討したほうがよいでしょう。
 
また、繰下げ受給をすると年金を受け取り始めたときの年間の所得が増えるため、所得税や社会保険料額も増加します。人によっては、想像よりも年金収入の手取りが増えなかったと感じる可能性もあるでしょう。
 

75歳まで繰り下げると年間42万円以上増加する可能性がある

繰下げ受給は、年金の受給開始タイミングを遅らせることで受給額を増やせる制度です。増額率は遅らせた月数に応じて0.7%ずつ上昇していきます。もし年金額が月4万2500円の方が75歳0ヶ月まで繰り下げると、最大で月に3万5700円、年42万8400円多く受け取れるでしょう。
 
年金の繰下げ受給は受け取れる金額が多くなる一方で、受け取り始めるまでは年金による収入源がなくなることにもなります。貯蓄がなかったり働いていなかったりすると、繰り下げ期間中の生活が難しくなるでしょう。
 
繰下げ受給を選択するときは、年金額だけでなく年金収入がない場合の生活費を確保できるかも考慮したうえで繰り下げ期間を決めることが大切です。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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